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第453回「ガンダム・ジークアクス」は本当に、ファーストのIF作品なのか?


ネタバレというか、既に大分言われている事なので、書いてしまいますが、現在映画館で上映中の「ガンダム・ジークアクス」が、最初のガンダム作品いわゆる「ファースト・ガンダム」のIF作品だという事で、ネットでかなり話題になっているので、自分もそれを楽しみに観て来ました。

しかし実際に見た所、そこに描かれているメカは、ザクの様で微妙にザクではない、ガンダムの様でかなりガンダムではない機体が登場して来ます。

ファースト・ガンダムは、かなり昔の作品なので、現代の感覚に合わせて、メカのディティールを上げているのだと言われてしまうかも知れません。

確かに、間接構造の変化やバーニアの有無等は、機体をリアルに描く為に、変更や追加がされる事はあると思います。

プラモデルでいう所の、HG(ハイグレード)RG(リアルグレード)等がそれにあたるでしょう。

しかしザクの腰回りの配線パイプが、一本から二本に増えるのは、そうした概念を、逸脱しすぎていると思うのです。

プラモデルを作る人ならわかると思いますが、機体をリアルアップする為にパイプを二本にする人等はいません。

例えば、やはり同じくファースト・ガンダムと同一世界線で描かれている、「ターンエー・ガンダム」では、ボルジャーノンという機体が登場しますがこれは誰が見ても明らかにファースト・ガンダムのザクであり、両作品が、同一世界線の物語である事を示唆しています。

それに対して、ジークアクスのザクは、とても同一世界線の同じ機体だとは思えない様な変更がされているのです。

では今作が、ファースト・ガンダムに似せただけの、全くの別作品なのかと言うと、そういう訳でもなく、微妙に異なるメカの仕様に対して、登場人物の方は、驚くほどファーストの作品に寄せています。

では結局、どうなのかと言えば、自分に正解がわかるはずもないのですが、ただ純粋に、ファーストガンダムのIF作品を描こうとした訳ではないのだろうとは思っていて、あえて言うならば、熱狂的なオタクによる、ファースト世界の壮大なパロディー作品なのかなと思っています。

パロディーと言うと、受けるイメージが悪くなってしまうと思うのですが、要は、庵野秀明らが青春時代に行っていた、二次創作活動の精神なのです。

オリジナル作品に極力寄せながら、しかし著作権の問題もあるので、あまりそっくりにはし過ぎないで、あえてオリジナルとは違う部分を作る。

見る人がみれば、何をオマージュしているのかわかりながら、しかし微妙にそれとは異なる仕様に仕上げている、今でもコミケ等に受け継がれている、熱狂的なオタク達による、商業作品の二次創作活動なのです。

二次創作もなにも、サンライズが作る正統作品なのだから、やろうと思えば本当にファースト・ガンダムの、IF作品を作る事も出来たと思うのですが、そうしなかったのは、庵野ならではの拘りがあったのかも知れません。


日本は、中国等の他国のアジア製品を、自分達の技術をパクっただけの劣化製品だと、自国に勝る製品はないのだと高をくくっていましたが、気付けば技術的にも追い越され始め、技術大国日本としての、かつての栄光を完全に失ってしまっています。

日本だって元々、西洋製品の技術をパクってのし上がって来たはずなのに、いつしかそののし上がり精神を失い、自分達が最強だとあぐらをかきすぎていたのではないでしょうか?

パクリ上等、オマージュ上等、パロディー上等なのです。
そこに作品へのリスペクトがあれば、他のいい所をどんどん真似て吸収し、自分の物にしてしまえばいいのです。

他人がそれをやってから「俺だって、それをしていいのなら、やってたよ」と言うくらいなら、実際にやって、訴訟を起こされたり、警察に捕まる方がましなのです。

※訴訟を起こされたり、警察に捕まる様な創作活動は、とても危険です。

自分は、この作品のザクのデザインが、めちゃくちゃ気に入っています。

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