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第459回、悪役の魅力を語ってみた


日本のアニメや漫画は、西洋の作品に比べて、魅力的な悪役キャラクターが多いと言われてますが、今回はそんな悪役から、自分の好きな人物の紹介とその魅力を語ってみました。


クシャナ(風の谷のナウシカ)

宮崎駿監督作品「風の谷のナウシカ」の敵役で、トルメキア国の第4皇女。文明が衰退した世界で、人類の文明を復興させる為に「巨神兵」を蘇らせて腐海を焼き払おうとする事で、腐海の生物の怒りに触れてしまう。

腐海の生物にとっては、確かに敵なのかも知れませんが、クシャナは人類の幸福の為に行動をしていたので、その方法が間違えていただけで、必ずしも悪い人間とは言えないのではないかと思っています。


エボシ御前(もののけ姫)

宮崎駿監督作品「もののけ姫」の主役、サンの敵役で、鉄の生成をする集落「タタラ場」の女指導者。

戦国の世の中で、女性や病気、障害を持つ者等、社会的な弱者の人に対する温情が深く、風の谷のナウシカのクシャナと同様、自然の生物達にとっては敵なのだとしても、人間にとってはむしろ、他のアニメを含めた誰よりも、人間味のある正義の人と言えるのではないかと、自分は思っています。


相楽左之助(るろうに剣心)

幕末後の明治時代を舞台にした、和月伸宏氏原作の「るろうに剣心」の主役緋村剣心の仲間的存在。
幕末時代の赤報隊の元一員で、服の背中に「惡」という文字を入れている。

左之助はどちらかと言えば、正義の側の人間だろうと言われると思いますが本人が悪の字に誇りを持っているので、本人の意思をくんで、悪側の人間として紹介する事にしました。

自分の行動を正義という言葉で正当化せずに、世間から悪と言われようとも自分がそうすると決めた事に、忠実に生きようとするその生き方には、一見自由奔放な様でいて、その実、強い信念と誇りがあるのを感じられます。


マグニフィコ王(ウィッシュ)

ディズニー映画「ウィッシュ」の主役アーシャの敵役で、ロサス国の国王。
人種差別や宗教的な迫害が普通だった中世時代において、移民を受け入れ、宗教同士が対立しないようにしている安定した国をつくるなど、歴史上誰一人としてできていないレベルの偉業を成し遂げた、とてつもなく優秀な王(ウィキペディアより抜粋)でありながら、アーシャの社会的価値観に合わなかったばかりに国家テロを起こされて、鏡の中に幽閉された悲劇の国王。

クシャナやエボシ御前同様、理想社会を築こうとしていたという事において西洋作品では珍しく、必ずしも悪だとは言い切れない悪役ですが、ジブリと根本的に異なるのは、価値観の相容れない者同士、分かり合えないまでも、どちら側にも正義があるという事を描くのではなく、相手を絶対的に間違えている存在として、徹底的に排除する所に、勧善懲悪な展開を好む、西洋の価値観が現れていた様に思います。


ドクター・エッグマン(ソニック・ザ・ムービーシリーズ)

セガゲームのソニックシリーズを実写映画化した、世界征服を目論む博士。

ゲーム映画共に詳しくはない物の、最新作の「ソニック × シャドウ 」で、「世界を征服できないのなら、せめて世界を救いたい」と名セリフを残して散っていった、彼なりに世界の事を思い世界征服を目論んでいた事がわかる感動的なシーンのある映画でした。(ネタバレをしてすみません‥)


まだまだ語りたい魅力的な悪役キャラクターは、大勢いるのですが、きりがないので、この辺にしておこうと思います。

あくまでも自分の好みとしてですが、内容に引き込まれる魅力的な作品は、善悪の関係がはっきりした物ではなくて、どちらにも各々の正義がある事を描こうとしている作品なのだなと、今回改めて感じています。

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