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一月三日

二人は一心同体、お前が羽ばたけば俺はそこにいる

 「キングダム」には考えさせられる台詞が沢山あります。 当今の名台詞などより吟味すべき言葉は、決め台詞よりむしろ何気ないシーンにこそ誠の価値があるのです。

 映画も良かったですが、私としては漫画で読んだときが最も衝撃的でした。


出典「キングダム」漂

二人は一心同体、お前が羽ばたけば俺はそこにいる。
信、俺を天下に連れて行ってくれ。

「キングダム」

《荒筋》

 秦国に漂と信という下僕の少年がいた。少年達は下僕の身から這い上がろうと木剣で剣技を磨き、戦場で出世して何れは天下の大将軍になろうという夢を共有していた。

 そんな少年達を見かけた秦国の大臣・昌文君は王宮で働くように誘う。しかし、昌文君が勧誘したのは漂のみだった。 漂がいなくて寂しくても一人でやっていく信だったが、ある日・・・。

 王宮内で争いがあるとの噂を聞いて、不安を覚えます。その噂を聞いたその夜、漂が血だらけになって帰ってきた。

 瀕死の重傷になった漂に怒り悲しむ。そんな信に漂が最後の言葉を贈るのでした。


《解説》

 努力するのは自分のため、人々の世の中で活躍する自分のため。

 孤独ほど人を死なせる病はない。絆とは軽いものではないから大事にすべし。
 命あるものは次に託せることが  繋げることは何かあるだろうか? 

 漂は信を知っているからこそ、連れて行ってくれと言い残した。信が怒りで自分を忘れないように、夢を忘れないように、俺も共にいるからと檄を与えた。または拠り所を与えたのだと思います。

 活躍とはなにも主人公を演じるのみではありません。仕えること、働くこと、生きること全ては人間の世の中で自分が動く、やっていくことです。

 自分が自らの技、力、知恵その他の持ち味でどれだけ人々を幸せにするかということです。

 裏道を使おうが使わないがそれは自分が選んで決めること、たとえ身内であろうと親友であろうと気兼ねする必要など無いのです。
 裏道を選んで妬まれようとも、それに引け目を取るようでは夢を願い目的を志した覚悟が霞むだけです。

 誰のためでもない、自分が描き志した願いに夢と目的のために。 人として生まれた貴方の人生は貴方のために使うべきです。

 そんな強い貴方だからこそ道に邁進していく過程で既知の人であろうと未知の人でさえも幸福を届けてあげる。それこそが業を有しながら生まれた人ができる幸福なのかも知れません。

 努力は誠であるべき。

 切磋琢磨は自分のためのもの。そのための努力は正に王道であるべきです。地道に基礎基本を疎かにしない。

 漂も信も誠を貫いて剣を磨いて力を蓄えてきたからこそ這い上がる自信も培った。
 故に王宮スカウトでさえ裏道と恥じる強さを持っている。二人には既に強い心が育っている・・・、

 挫折不遇にも負けない、自らの力と運を信じ切る“自信”という強い心を

 夢のために自らを預ける懸ける。だから漂は行くと決め、信もそれを称える。
 
 自ら選んだ道にひたむきで誠実であれ。


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