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一月十一日

国、民族、文化、信仰の異なるものが交わるのに一滴の血も流れなかったことがあるか

 「キングダム」には考えさせられる台詞が沢山あります。 当今の名台詞などより吟味すべき言葉は、決め台詞よりむしろ何気ないシーンにこそ誠の価値があるのです。


出典「キングダム」嬴政

国、民族、文化、信仰の異なるものが交わるのに一滴の血も流れなかったことがあろうか。それがいかに至難な業かは史を見れば理解に易い、繆公一人で数百年の軋轢が消えたと思う方が安易だ。(以下略)  

「キングダム」第21話

《荒筋》

 秦国の下僕の少年に漂と信という秦国の下僕の少年がいる。少年達は下僕の身から這い上がろうと木剣で剣技を磨き、戦場で出世して何れは天下の大将軍になろうという夢を共有していた。

 そんな少年達の前に秦国の大臣・昌文君と出会う。兄弟で玉座を争い、その過程で親友・漂が殺される。悲しみつつも信は遺言に従い、秦国の王子・嬴政と出会う。
 信は漂の夢を叶えるため、王子の玉座奪還に手を貸す。逃避行で一緒になった河了貂と三人で行動を共にする。

 刺客を倒し、昌文君一行と合流できた三人ですが、肝心の味方がいないということを知らされて信は驚愕する。

 嬴政達は助力を借りるために山界の王に会いに行く。しかし、山の王は嬴政を拉致してしまう。
 山の王は祖先が受けてきた恨みを晴らすべく嬴政を処刑しようとする。しかし、嬴政はそんな山の王と話をする。


《解説》

❤️国、民族、文化、信仰の異なるものが交わるのは容易なことでは無い。

 嬴政の言葉を移民容認の人達に聞かせてあげたいです。

 古代中世でさえ異なる人と人の交わりに流血が絶えなかったのに、知識利益情報が比べものにならないほど増えた現代では想像以上の困難さを覚悟しなければなりません。

 労働力確保の名分から政財界では移民受け容れを進めようとしていますが、受け容れた後の国家と世界の流れまで思案すべきです。

 歴史上、労働力確保のために移民を受け容れる政治は無数にあります。ですが、数多の血が流れてきたことも有名です。
 古代中国の異民族傭兵、大航海時代から帝国主義時代における植民地経営の労働力は世界史で学ぶことが出来ます。

 労働力という働く機械扱いに留まり、財産面は元より政治的な権利は与えられずに不平不満から反乱が起きました。
 一旦、仕事として携わらせる以上は金銭面だけで満足するほど人の欲望は小さいものではありません。平等という言葉は最高の名分となります。

 信仰がおおらかな古代以上に現代の移民受け容れ政策は国家の大問題になります。
 現代はイデオロギーでさえ革命、戦争を始めた歴史があるのだから。

❤️何を譲るかより、何を護るか。

 国、民族、文化、信仰。嬴政の台詞の4単語は現在でも移民導入政策について考慮すべき柱です。

 自分の国家、民族、文化、信仰についてどこまで護るか。優先順位をきちんと確立しておくべきでしょう。

 私見になりますが、日本における心技体を熟慮すればやはり心(信仰)は第一に守護すべきでしょう。

 日本で言えば皇室≧神道に当たります。

 心を守護するのは先ず力になりますので、次には力に該当する国、国土、環境、その中に息づく日本人になります。
 国土国民を護るのは軍隊、自衛隊になりますのできちんと自衛隊を保護育成すべきでしょう。

 力があれば技が生まれる。技は力の中にありとは空手家・大山倍達氏の言葉ですが、金言です。 

力に当たる日本人≧国民は民族であり、民族の生活から生まれたのが文化となります。
 民族の文化が技として継承されてきたものが伝統ということになります。

❤️受け容れるなら本気で、国民にするつもりでやりなさい

 「キングダム」では山界の民と嬴政の秦国は盟を結ぶだけで無く、山の王は遂には大将軍として秦国の重要人物として受け容れられました。
 
 ローマ帝国は征服地の原住民には市民権、元老院にも加えた歴史があります。
 古代中国で五胡と呼ばれた異民族もやがて中国人化してからは、中国人以上に中国を巨大な帝国にしてきた歴史があります。

 移民を受け入れる姿勢の本気度は日本の心技体を守護体現できる国民にするかどうかにあるのです。
 
労働力扱いでは過去の悲惨な内乱の歴史の覆轍を辿るだけです。

誠に「キングダム」は色々思考させてくれる名作です。

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