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一月九日
千の打ち合いをして相当の剣技を身に着けてはいるものの、自分に向けられた殺気を跳ね返す精神力が十分ではなかった。
「キングダム」には考えさせられる台詞が沢山あります。 当今の名台詞などより吟味すべき言葉は、決め台詞よりむしろ何気ないシーンにこそ誠の価値があるのです。
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出典「キングダム」嬴政
《荒筋》
秦国の下僕の少年に漂と信という秦国の下僕の少年がいる。少年達は下僕の身から這い上がろうと木剣で剣技を磨き、戦場で出世して何れは天下の大将軍になろうという夢を共有していた。
そんな少年達の前に秦国の大臣・昌文君と出会う。兄弟で玉座を争い、その過程で親友・漂が殺される。悲しみつつも信は遺言に従い、秦国の王子・嬴政と出会う。
信は漂の夢を叶えるため、王子の玉座奪還に手を貸す。逃避行で一緒になった河了貂と三人で行動を共にする。
王弟側は刺客を放ち、ついに嬴政の元に迫る。王子を守るために信は刺客と戦う。
始めは押されていた信でしたが、嬴政が信の不調の原因に気付いて助言を与えたことで互角以上の勝負になるのでした。
嬴政が信の不調の理由を河了貂に説明したのが上記の台詞。
《解説》
❤️心・技・体揃えて始めて強力になる。
想いだけでも、力だけでもとは日本のロボットアニメで流れてきた台詞でありましたが、信のように力と技を鍛えていようとも実戦では不安恐怖負荷を跳ね返す精神力が必要になるのです。
技も力も鍛えれば鍛えるほどにそれらを振るうための心、精神力が強くなければなりません。
いわば技、体を鍛えることで精神力も鍛えるのが訓練なのです。
人生は四苦八苦あるように道のりは順風ばかりではありません。苦難こそ訓練の見せ所と言えましょう。
相手がいる戦いでは尚のこと精神力は強靱で無ければなりません。
そして、訓練努力は誠実で無ければなりません。努力に怠惰と嘘をついてはならないのです。
努力に嘘をつかなかった信はこの刺客をも倒し、以後も自分以上の強敵を倒しながら天下の大将軍への道をひた走ります。