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読むべき本が多すぎる。
はじめに
読むべき本が多すぎやしないだろうか。僕はそうしたゆるやかな義務感を感じることがある。 Youtube、Podcast、このnoteだってそうだけど、頭のよさそうな人たちが多種多様な本を紹介している。
「この本は読むべきだ」
「この本はみんなに読んでほしい」
「今年読んだ中で一番面白い」
「この古典は外せない」
そうやって読むべき本が増えていくわけだけど、普通の社会人にそんな時間があるだろうか。少なくとも僕にはない。
そんなときに見つけたのが、『「読まなくてもいい本」の読書案内-知の最前線を5日間で探検する』(橘玲、筑摩書房)だった。
なんだぴったりの本があるじゃないか。
結局、進化論が大きな知の転換点だからこれより後の本を読めばいい
進化論は、ダーウィンから始まったあれのことだ。大体の内容はみんな知っていると思うし、概ね間違ってないだろうから省くけど、進化論もダーウィンから引き継がれて進化している。
現代の進化論の内容をざっくりまとめると以下になる。
「動物と植物は遺伝子による行動原理を科学的に記述できる。これにヒトを含めるのは当然だ。私たちの心や感情も進化によって生まれたのだから。」
進化論に詳しい人がこの記事を読んでいないことを切に願う。じゃないと怒られそうな薄い理解だ。まあ本書を読んだ限りはこんな感じだと思う。
でもなんで進化論が知の転換点なんだろう。
経済や哲学、諸々の社会問題について、現代の進化論以前では理論の構築をしてきたけれど、大きな進歩が得られなかった。
なぜか。
それは僕たち自身も、社会も、世界も、すべてがあまりに複雑だからだ。
しかし複雑さの中にも秩序はある。人間は不合理な行動をとるけど、それには一貫性があるということだ。
そうは言っても全体をモデル化することは原理的にできない。個々の行動は科学的に記述できても全体となるとあまりに複雑になってしまうからだ。
じゃあどうすればいいんだろう。
ヒト・社会・世界の複雑さを前提にすればいい。
進化論が知の転換点となったのはこれが理由だ。
具体的に何を読めばいいのか
なるほど、現代の進化論を前提としていない本は(ひとまず)読まなくていいってことか。
じゃあ具体的に何を読めば(学べば)いいのか。
当然、進化論は欠かせない。経済の分野は、行動ゲーム理論と統計学。こころの分野は進化心理学。社会問題についてはマーケットデザイン。このあたりになるらしい。
進化論・進化心理学・行動ゲーム理論でヒトの行動原理を学ぶ。統計学を学べば理論抜きで全体を解析できる(すでに書いたが全体をモデル化することはできない)。
マーケットデザインを学ぶことで、社会問題の改善点を探ることができる(個々人の行動をゲーム理論を使って”好ましい方向”に誘導すること)。
おわりに
読むべき本は上記の通り。もちろん僕は読んでいないけど、みなさんもきっとお忙しいでしょう。僕が勝手に読んで、勝手にまとめます。「プロジェクト橘玲」とでも名付けておきましょうか。
偶然読んでいただいた方にとっての「読まなくてもいい本」が一冊でも増えることを願って。