はじめての、その先へ #4 ニワトリから卵をもらって考える
我が家のニワトリはもうすぐ推定4才になる。それぞれの個体にたまにブランクげありつつも、夏の間までは安定して卵を産んでくれていたが、最近は日照時間が短くなって気温も下がってきたせいか、ニワトリたちは産卵をお休みする頻度が少し増えてきた。
ニワトリを飼っている知り合いの方々からは、4才で卵を産むほうが珍しいとのことなので、我が家のニワトリたちは相当頑張ってくれているのだろう。歳をとるにつれて卵の殻も薄くなってきたが、黄身の立ち上がり方や色の鮮やかさは健在だ。卵の大きさや殻の色、模様には産む個体別に個性があり、卵を見ればどの子のものか分かるようになった。卵を調理する際にも、これはどの子の卵だな、ありがとう、とつい卵にも語りかけてしまう。
ニワトリたちが卵を産まなくなったら、食べちゃうの?と島の人からは冗談半分でよく聞かれる。大事なペットなので天寿を全うするまで飼いますよ、と答えているが、島では飼っているヤギやニワトリを自分達で屠殺して食べる習慣が農村部では残っているようだ。地元の畜産会社に引き取ってもらい、食肉として加工されることもあると聞いた。動物を家畜として考えれば、無駄なく命を頂くということだと理解できるのだが、我が家のニワトリは家族のメンバー。毎日、畑の虫を捕まえたり、砂浴びをしたりと自由を謳歌する姿に心を癒してもらっているだけで十分ありがたい。卵はニワトリからの嬉しいプレゼントとして美味しくいただきつつ、全員が元気で長生きしてほしいと願っている。