はじめての、その先へ #3 ニワトリ小屋、2度の増築
昨年11月に作ったニワトリ小屋は、はじめてチャレンジ#28でもご報告したが、半年後の6月と、今年の10月に2回の増築を繰り返している。
母屋部分は変わらず、前面の網のケージ部分を広くしたのと、産卵のための個室を2つ新設した。
こうした増築はニワトリたちが快適に過ごせるためだが、2度目の増築は、特に5羽のなかでも一番臆病なアイちゃんというニワトリのためという側面もある。
小屋を作ってから、ニワトリたちは我が家をホームとして認識し、基本的に夕方には律儀に帰ってくるようになった。暗くなる直前には自主的に小屋の中にも入ってくれるのだが、アイちゃんはなかなか最後まで小屋に入りたがらない。
他のニワトリは小屋の奥の隅に固まって、ほぼ一列になって寝ているのだが、毎晩場所取りを巡る小競り合いが繰り広げられる。仲間につつかれることを極度に恐れるアイちゃんは、特にボス級のニワトリが定位置に収まって眠る体制になるまでは小屋の遠くで様子を伺っている。そして、辺りがすっかり薄暗くなってからようやく小屋に入るのだが、仲間との列に加わることなく産卵のために作った個室に入って寝てしまうのだ。
ニワトリはフンをする場所には産卵しない性質らしい。毎朝小屋掃除をしても、ニワトリ自身がそこは産卵場所としては認識しなくなるのだろうか。こうして、アイちゃんが毎晩フンを残していく個室はもはや産卵場所として機能しなくなってしまったということで、台風時などの産卵場所としての別の個室を今年の10月に作ったという経緯がある。
できることなら全員仲良くしてほしいのだが、群れの内部の序列化と弱い者いじめは残念なことにニワトリ(人間もそうだろうか?)の持って産まれた性質なのだそうだ。いじめられて命を落とすニワトリもいるらしいので、何とか飼い主側で工夫していじめを防いでいくしかない。個室に逃げることで、アイちゃんと他のニワトリは距離を保って平和に夜を過ごしている様子だが、毎夕全員が小屋に入るのをやきもきしながら見守っている。
ちなみについ数週間前に完成したばかりの新しい個室には、まだ産卵場所にも寝場所にもされていない。