【日記】19歳、その1
この身を刺す風 苦しい 痛い 空間に浮かんだ空間の影 私はその揺らめきの海から抜け出せるのか 人間は不変不滅ではないのに 人は永遠ではないのに 唯一この苦しみだけが私の永遠 私は私に帰還する 全てがただ自己に向かう
私は今、苦しみの絶頂にある。同時に至上の快楽を満身に抱いているのである。一言に表すれば「狂しい」のである。
それは一点の濁りもなく、濃艶で永遠・不変たるもの―まさに私の絶対的存在ではないか!―哀愁に満ちていて甘く切なく、ひたすら破滅を嘆願させる。天国の中の地獄。原色でなく淡色の混合色。
淡色の、夢のように美しい地獄なのである。これほど世に苦しい地があろうか。
そして私は自己を満喫し、自ら自分の生き血を吸い取り、一刹那、自己を愛するのである……。