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2025/01/31ブックガイド パルプ

パルプ
チャールズ・ブコウスキー

ブコウスキー流のはちゃめちゃ探偵小説。少年探偵団にすら入れないような名探偵が、ぼんやり依頼を片付けていく。このぼんやりがミソで、まじで薄ぼやけた解決しか起こらない。主人公は、人が死ねば解決!!というとんでもない思考の持ち主。面白い。展開の広げ方と回収の仕方がクソ適当。とにかく冴えない主人公をカッコよく見せるのが非常に上手い。男とはこうあるべきとすら思えてくる。酒を飲みながら適当に考えたとしか思えない内容でも、文体というか言葉のセンスの良さで成立させる力技。はっきり言って名言しかない。バーに行って喧嘩して、競馬で負けまくることこそが人生。無様さすら楽しめるのも人生。『誰も俺を愛していない。だけど俺にはすべきことがある』
悪文に捧ぐ

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