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おぼえて 思いは過ぎて……

光がさして辺りは眩く
これじゃ目を瞑ったのと同じだ

雨が降ってさんざめく空
これじゃ耳を塞ぐのと同じだ

風が吹いて香りは混じって
これじゃみんながみんな同じだ

世界に触れて世間になって
これじゃ自分がないのと同じだ

一人なんかじゃないと 胸に手を当てる
思い出は手の届くところにあるのに
思い出すのは手の届かなかったことばかり
思い出なんかじゃないと 君に手を伸ばす
憶えていたいのはこれじゃないのに
覚えるのは無力感と鈍色の悲しみばかり

かんじてかんじてかんじてかんじて
これじゃなんにもかんじないのとおなじだ

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