vantile

「やろうと思ったことを何でもやってみる」をモットーに、エッセイや詩などをとりとめなく書きます。

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最近の記事

息のすえる場所『最強のふたり』

観た映画『最強のふたり』 2011年、フランス映画。 知り合いに勧められた作品。サブスクでの配信が間もなく終わってしまうということなので鑑賞。 アメリカでリメイクされるほどにヒットした作品とのこと。そこまでのヒット作品であればハズレはないだろうという気持ちで臨んだところ、少しガッカリした。 正確に言うと、刺激強めのアミューズにはじまりオードブル、そしてメインからデザートまで完璧だったフルコースの最後に出てくる余韻を楽しむべきカフェの中に、これでどうだと言わんばかりに仕込

    • 【詩】帰っておいでよ

      帰っておいでよ 出かけたこともしらないけれど 帰っておいでよ どこへでも行っていいけれど 帰っておいでよ いつまでだって待つけれど 帰っておいでよ って思ってる僕が 帰ってきてって言わないうちに きっと大丈夫だよ なんの心配もいらないからさ きっと大丈夫だよ どこへだって行けちゃうからさ きっと大丈夫だよ 大丈夫じゃなくても大丈夫 だから「大丈夫だよ」 って強がる僕が 帰ってきてって言わないうちは 帰っておいでよ、大丈夫だよ 僕がずっとここにいるからね 2月22日はねこ

      • ルミナリエに行きました

        阪神淡路大震災の復興を象徴するイベント、神戸ルミナリエに先日行きました。感染症のせいで数年ぶりに開催されたのですが、なにげに初開催からほぼほぼ参加しています。参加といっても、なにせ小学生時代に始まったものですから、私は親に連れられて行っていただけでイベントの意味など考えてはいませんでした。キレイなイルミネーションを見ながら、普段なら絶対に買い与えてもらえない高めの価格の屋台で飲食できる素敵なイベントという認識でした(復興支援という意味ではこれも間違いではないけれど)。 さて

        • 【詩】冬の朝

          あたたかな 猫のあくびと 冬の朝 抱きしめる 腕におさまる 新世界 夢でさえ 見ることのない 冬の朝

        マガジン

        • 性格の話
          11本
        • 詩などの創作物
          45本
        • エッセイ・コラム・考察など
          90本
        • n=1の愛について
          9本

        記事

          そこにあるもの

          まわり まわる めぐり めぐる 何がみつかる? 私はみつける? ふるいおしろで ゆうきをふるう ふるいにかけて とまるはふるえ ゆらり ゆれる のこり のこる 何をみつける? 愛はみつかる? きづき きずけば まわりも まわる 止まっていた針が動きだす 回っていた世界が進みだす

          そこにあるもの

          72cmの距離から

          4度下に映る その切り取られた世界以外 もうなんにもいらないと 吸い込まれるように手が伸びて つられて足が前に出て たまらず体も倒れかかって 世界は闇に抱かれる もうなんにもなくっても 37度は下回らない

          72cmの距離から

          【詩】無題

          東の空が明るくなる前 いつもと違うことを期待する 後悔と落胆とがまどろむ頃に そっと言葉を残しましょう 分厚いベールを一つずつ 融かして解いて剥がして触れて 滑り込ませるその指先に 絡みつく糸の名前を 特別な何かを求めているわけではなくて 特別でないことを普通に感じることは 悪いことではないでしょう? だけどそこに少しだけ残る苦みに 怯えてしまう夜もある 風の吹くままに形を変えて 留まることなく流れゆく雲の形も 違うものを見ているはずだけど そこで生まれる感情の欠片は

          【詩】無題

          忙しさの中の

          気がついたら1ヶ月ほど更新をしていなかったので、残業の休憩がてら何か書こうかなと思う。 上期が締まるタイミングなので、自分のこの半年を振り返ってみる。4月から仕事がかなり忙しくなってしまったり、子供の幼稚園の保護者会の役員になったり、ほとんど縁を切っている実家のゴタゴタに巻き込まれそうになったりと、noteを読む暇もとれない半年間だった。仕事以外してない、と言っていい。そしてまだまだ忙しさは続くので、更新頻度は極めて低いし、過去の記事を読んでくれた人の記事を読みに行きたい気

          忙しさの中の

          水やり

           枝を伸ばし葉をつける木は、しっかりした芯となる幹があってこそで、それが弱くないことは知っています。けれども、頑強であるとは限らず意外に脆いところもあるのも知っています。枝葉が傷んだら自分を守るために自発的に落とすこともあり、それは時には必要なことでしょう。落ちてしまえる枝葉と違い、芯は涙ではなく仮初でも虚勢でも栄養を流さなくてはいけません。それが出来るのは、美しく逞しく育たなくとも構わないという諦めに似た惰性ではなく、意思の強さのなせることだと思います。新しい葉を広げ高い空

          【詩】 I'VE to WALTZ

          息をとめていた口が開く 温かく湿り気を帯びた風 いざなわれるように 急斜面を駆ける 新雪が降りたような白い地肌 ひそむ熱を隠しきれない大地 感触を確かめながらゆっくり進む 跡をつけるようにゆっくり進む 西へ東へそして南へ 双子山の渓谷 抜けようとすると大地が震えた ほんの気まぐれで片割れへ登る 頂の眺めを楽しむと もう一度大きく揺れた 山の輪郭を外回りになぞり 等間隔に並んだ岩場を越える たどり着いた平野の中心の窪み その大穴にため息の橋を架ける 脈動に耳を澄ます まだ

          【詩】 I'VE to WALTZ

          【短編小説】残暑

           夏は嫌いだ。  まずあつい。寒いのも嫌いだが暑いのは耐え難い。肌の上を汗が垂れるあの感覚は、虫が這う感覚の次に嫌悪感を覚える。蟻の行列かのような筋を額に何本も浮かせて、どうして君はそんなにも嬉しそうに笑うのだろう。蒸気機関車の如く肩を上下させ熱気を撒き散らし、終着駅へたどり着いた君はどうしてこんなにあついのだろう。  夏は嫌いだ。  兎角うるさい。静かすぎるのは寂しいが五月蝿すぎてもうんざりだ。蝉の鳴き声など雑音と変わらない。私を大樹と見立てたか、四六時中傍らに居よう

          【短編小説】残暑

          【映画感想文】『流浪の月』の裏側〜たった一言で〜

          映画『流浪の月』感想文の裏側です。月の裏側で行われる批判や批評を覗きたくなければご遠慮ください。 当たり障りのない表側はコチラ。表側に書いた内容を前提にしている部分もあります。 おことわり基本的には映画の話です。書きなぐるので言葉は選びません。気持ちのよい内容でもありません。この著者の作品は本作を含め一切読んだことがありません(本作を読むつもりはありませんが、他の作品は読むかも知れません)。この映画監督の作品も初めてみました。原作が悪いのか、映画化が失敗なのかは分かりませ

          【映画感想文】『流浪の月』の裏側〜たった一言で〜

          【映画感想文】『流浪の月』の表側〜救いの手〜

          観た映画『流浪の月』 多少のネタバレとともに、ふんわり感想を書いてみます。 大切にしたいものは何なのか。 愛と呼ぶには未熟なそれらに振り回される“大人”の物語。でも、それこそを愛だと言うのなら、満ち欠ける月のようなそれを当てどなく求め彷徨う旅人にもなるのも悪くない。 ※ この物語り裏のテーマがあるとするならば、それはきっと「救いの手」だ。 15年前の、意味も分からず握り返した互いの手。現在の、泥まみれの救いの手を掴む選択をした更紗と、泥を隠したままが故に差し伸べられ

          【映画感想文】『流浪の月』の表側〜救いの手〜

          人の不幸は教訓として

          タイタニック号観光潜水艇事故。(観ていないけど)TVなどではそれなりに報道がされていたのではないかと思う。私が最初に関連記事の見出しを読んだ時に感じたのは、もう既に亡くなったか生きていても確実に助からないなということ。そして次に、どうしてそうなったんだろうという原因についてだ。 ニュース、あるいは情報とは一体なんのためにあるのだろう。それは、得た情報で次の行動に活かすためにあるはずだ。天気予報も株価の動きも世界情勢も、なんだってそうだ。では今回のこの潜水艇の話は何の役に立つ

          人の不幸は教訓として

          言葉と意味の多重奏

          音楽は、メロディと歌詞との組み合わせだ。もう少し分解すると、メロディは楽器の音色やら拍やらに分解でき、歌詞は言葉の音とその意味に分けられるだろう。更に分解すると、音色は空気の振動と周波数の違いだし、拍によってその伝わり方方が変わってくる。言葉の音も同様に響きに差があるが、メロディを奏でる楽器に比べると弱い。だが、それを歌う人の表情なんかは情報にもなるかもしれない。そして、仮に耳が聴こえなくとも、歌詞の言葉から連想されるものは、個人の想像力というファクターはあるものの、そう変わ

          言葉と意味の多重奏

          『Hug』の歌詞解釈

          こちらの記事でハグについて書いて、言葉選びの元にもなったので曲を引用したけれども、少し言葉が足りないし、あちらで語るには少し違う気がしたので別記事にしてみました。 というわけで歌詞の解釈です。 メロで声を使い分けていることから、登場人物が複数いるのだろうと思いました。それはすぐに明かされて「アナタ」と「私」がいるのがわかります。寂しがっている「アナタ」におはようと声をかける「私」でしょう。でしょうか? おそらく声はかけていませんね、ハグしかしていないのだと思います。1番

          『Hug』の歌詞解釈