見出し画像

だから言葉を使うんだ

何かに気づいた。何かを感じた。何かを考えた。

ロウソクにぼぅっと灯がともるような、
最初は、吹けば消えそな小さな火でも、
心の中を照らしだし、
徐々にその温度を上げていく。

どんな想いを投入すれば、
炎がより強くなるかを確かめながら、
少しずつ少しずつべていく。
やがて、
炎のゆらぎと心のそれとが同調する。
そして見つかる。

心の奥深くにそれはある。
これが探していたものだ。

それは、自分の中にしかなくて。
これを、だれかに見てほしくて。
伝えたいんだ。でもどうやって?

むき出しの炎を付きつけて、
燃やし尽くしたその灰燼かいじんから、
同じものを見つけてもらう?
燃えさかる炎をおさえつけて、
やさしさだけのそのぬくみから、
同じものをかんじてもらう?

いや、きっとそれではダメなんだ。
それでも、なんとか伝えたいんだ。

ときに火のように 対象の心に熱を届け
ときに水のように 対象の心の乾きを潤す
ときに霧のように 対象の心に漂い続け
ときに針のように 対象の心の間隙かんげきを突く
ときに月のように 対象の心に寄り添い
ときにのように 対象の心の影を映す

言葉は姿を変え形を変え
想いは時間を超え意識を超え
そこにあるのに どこにもない
何処どこかにあるのに 其処そこにはない

だから祈る だからうた

”この「言葉こえ」が この「想いこえ」のまま
君の元へ少しでも 届くことを信じて”


だから言葉を使うんだ。

いいなと思ったら応援しよう!