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うつ抜けの友その1.モノクローム写真集

プロフィールに「好きなもの、こと」とか書きながらまだ「もの」について書いていなかったので、本日から上のようなタイトルで、回復や息抜きの助けになったものをアイテム別に書いていきます。

私の場合、動けなくなる何か月か前から「色」と「音」がとても苦手になりました。
「色」については、今考えると、その数か月前からほとんど白・黒・ベージュの服しか着なくなっていて、毎日同じような組み合わせでも気にならない、というかむしろそっちが落ち着く感じになっていました。

服を選ぶエネルギーもなく、また、目からたくさんの色が入ってくると情報が処理しきれずに疲れてしまう状態だったような気がします。

仕事を休みはじめて、ほぼ横たわって過ごしていた時期は、寝すぎて眠れないし、本なんか読めるほど頭が働かないし、かといって何もせずにいるといやなことばかり思い出す。
何とか気持ちを落ち着けるものはないだろうかと考えているうちに
うつの世界にさよならする100冊の本に紹介されていたMichael Kenna(マイケル・ケンナ)という人のモノクロの写真集を思い出しました。

紹介されていた「Retrospective」より少し手頃だった「Images of the Seventh Day」を注文しました。
いろいろな国で撮った風景や建物、彫刻がぜんぶモノクロ。
中でも木を撮った写真がたくさんあって、空に黒く浮かび上がる枝の造形を見ているだけでも、深呼吸しているような気持ちになりました。
数歩先のトイレに行くのも億劫な自分が、布団の中でスペインの森や韓国の島に思いをはせるのも可笑しいのですが、これを見ているときは現実から逃れられました。

ほぼ同じ時期に手に入れたのが、「銀の月」。
これは日本の写真家(西島善和さん)が撮った月ばかりの写真集。
しばらくはこの二冊ばかり見ていました。

その後、写真に添えてあるような本、短編とステップアップして、
今では本も普通に読めるようになりました。

本が読めない、カラフルな色はキツい、という状態だったら、モノクロの写真集を眺めてみるのもよいかもしれません。

でも、この二冊は今も枕元において、寝る前にちょっとめくったりしています。

今回、この写真集のことを書くのにマイケル・ケンナのことを調べたらなんと来月、都内で写真展が開かれることがわかって、ぜひ行かねばと思っています。



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