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19年人材業界で働いた人間は、どうやって会社を選ぶのか?


こんにちは、中村です。
突然ですが2024年11月からセールスコアに転職しました。



このnoteの目的とは?

結論、会社を選ぶ上での決断軸なんて人それぞれです。自分の信念に基づいて答えを出せばいい。だけど人間はどこまでも人間なんです。他人との比較に意味はないとわかっていても、他人の結論を参考にしてみたくなるもの。

ただし他人の結論はノイズが含まれている。エモいこと書いてバズりたいとか、自分をよく見せたいとか、たくさん記事をシェアされたいとか、みたいな邪念が生まれてしまう。現に私もこの記事を書きながらスケベ心でいっぱいだ。(たくさんシェアされて、エモいわ〜って言われたい。)

今回はスケベ心を封印させて、現実をありのままに表現してみたい。誰かが会社を決める際に少しだけプラスが生まれるnoteであってほしいと思っている。




会社選びをする上で、何からスタートしたのか?


最初の問い

最初に何を問うかは重要なテーマだと考えており、この問いが間違った方向にいくと暴走しやすい。

いつでも起点は「何を問うか」




最初に問うべきは何か? という問いからスタートした私の転職活動。
スケッチブックを開いて、自分の考えを可視化させてみることに…




ところが…


お絵描きは5分で飽きてしまい、「この延長線沿いに価値はない」という結論に辿り着く。まあ、やってわかることってあるからね。結果オーライ。

人はいつでも本質的なことをやりたいって思うんだけど、面倒くさくなっちゃうんだよね。




魔法の呪文を唱えることに

私は考えることが面倒くさくなった時は、魔法の呪文を唱える。「あぶらかだぶら、クリエイティブジャンプ!!!」

「クリエイティブジャンプ」とは既存の枠組みや常識を超え、発想を飛躍させて新しいアイデアや視点を得るための思考法。


自分の良いところであり、悪いところでもあるのですが、せっかちですぐに結論を求めたがる。地道でコツコツ前に進んでいくのが耐えられない。今までの経験と知識の蓄積を信じて、クリエイエティブジャンプするやり方が向いてる。

そのため転職で最初に何を問うか?に対して、頭の中でパッと思いつく答えで進もうと決めた結果、「コンセプト」という言葉がしっくりきた。特に深い理由はない。直感だ。

配られたカードで勝負するしかないのさ




結論はでたが、コンセプトを知らない

そもそも、コンセプトとは何か?と考えてみると納得できる答えが出てこない。こういう時はAmazonで「コンセプト」と検索して本を読むのが1番だ。


ポチッとな



買って読んでみた結果

んーーーーーーーうわ、そうそう、あっなるほど、へー、ほー、うわー、んんんんんん、あーーーー、という謎の間投詞が頭の中で飛び交う。


とりあえず、めちゃくちゃ心に刺さったページを共有します。
※ドラクエを知らない方は飛ばしてください。

ドラクエ3で遊び人は、ただひたすらに「お金がほしい!」「しあわせになりたい!」と叫び、勇者の指示も聞こうともしません。勇者・僧侶・戦士の3人は「世界を救わなきゃ!」と躍起になって巨悪と戦っているにもかかわらず、遊び人は空気を読まずに踊ったりする始末です。なぜ冒険の仲間にしてしまったのだろうか? と後悔してしまうような職業ですよね。 しかしゲームにおいては、そんな役立たずの遊び人であっても、「一定のレベルまで育つと、特殊な条件もなしに『賢者』というすべての魔法を扱える究極の魔法使いに転職できる」という面白い設定がなされています。遊び人は自らの欲求に素直になれるがゆえに、賢者たる素質を秘めている。 たかがゲームだと見過ごすことはできない、深淵な捉え方ですね。 遊び人の願いは、シンプルにまとめると次の2点に集約されます。 ・しあわせになりたい、したくないことはしたくない ・死にたくない、お金がほしい これらの願いは決してバカにできるものではありません。勇者である「コンセプトワークするあなた」がどれだけ高尚で素晴らしいコンセプトを披露しても、あなたの内に潜む遊び人が同意しなければ、冒険はいずれストップしてしまうからです。 目の前の道が世界を良くすることにつながっているとしても、その道に進めば自分が不幸になると感じてしまうようであれば、躊躇や迷いは必ず生まれます。きっとプロジェクトは頓挫して、「良いもの」を世に問うことすらできずじまいになってしまうでしょう。 思い返してください、私たちがコンセプトをめぐる冒険に旅立ったのは、「良いもの」を世に出して、ひいては世界を良くしてあなた自身もしあわせになるためでしたよね。 「良いもの」ができなくては、冒険する意味がないのです。 そんな事態を避けるためにも、最終的に生み出すコンセプトは次の2点をクリアしている必要があります。

・あなたが心の底から同意し、それを行えばしあわせになれると信じていること
・ あなたやあなたの会社が生きていけること(お金が手に入ること、永続性があること)

コンセプトの作り方  より


この本が提唱するコンセプトの定義が刺さる。
・コンセプトとは世界をよくする方法
・コンセプトとはあなたが幸せに生きられる方法



これって、転職軸の原理原則なのでは…
(就活する学生も、転職する社会人も、就活本や転職本を買う前に、この本を読んでみたらいいのにと思いました)


何からやるかではなく、何から問うか。
つまらない転職や就活があるのではなく、つまらない問いがあるだけだ。




悩んだ時は答えを変えるのではなく、問いを変えてみるといいかもね




転職活動は第2章へ

この2つの問いを起点として深掘りしていけば、自分なりの答えが見つかりそうだなと思ったので試してみた。

・コンセプトとは世界をよくする方法
→自分が考える良い世界とは?

・コンセプトとはあなたが幸せに生きられる方法
→自分が考える良い人生とは?




結果…

考えれば考えるほど、思考迷子になっていく。考える中でわかったことは、自分が幸せにしたい対象や、自分が幸せになる方法の範囲が広すぎるということ。たいした能力もないのに、世界中の全てを自分の力で良い方向へと導こうとしている(何様なんだか…)

「あ〜自分は引き算が苦手なんだな」

という、自己理解が深まる。


やりたいことがわからないのではなく、認識している問題が多すぎて、どこに全てを解決できる会社があるんだろうと思考の迷子になっていた。


引き算って大事だね

全てを自分の力で幸せにするのではなく、いろんな会社で、いろんな正義を貫く人がいて、その先に世界の平和があるんだなと改めて実感。自分はちっぽけな存在だな〜とセンチメンタルな気持ちになりました。(わかってはいるんだけど、心に小さな穴が開く)

この世界からみれば、ちっぽけな存在であり、できることが限られているのであれば、どこにスーパーフォーカスするべきかを問うことが大切なのではないかと考えるようになった。


問いが「何にフォーカスするべきか?」に変わる。




改めてコンセプトを振り返ってみる。

・コンセプトとは世界をよくする方法
・コンセプトとはあなたが幸せに生きられる方法

何かに集中するとは、何かを捨てることだ。全てを求めるのではなく、本当に自分が大切にしていることはなんだろう? こんな問いかけをしていく中で、少しづつ思考がシャープになっている感じがあった。この一歩だけ前に進んだ感覚が楽しい。

そんなことを考えているうちに、いつの間にか思考は「楽しいとは何?」と本題からズレたところへ飛んでゆく。転職活動を前に進めるためにノートとペンをもってカフェへきたのに、気づいたら楽しいとは何か?を考えながら、美味しいデザートを食べて1日が終わっている。

思考にはエネルギーが必要だ。大量のエネルギーが。




スーパーフォーカス

思考には大量のエネルギーを注ぎ込んだ。あんみつ、アイスクリーム、ケーキを苦しかったが毎日のように食べた。内定は増えないが、体重は増えていく。これだから転職活動は恐ろしい。

結局何にフォーカスするべきかという結論は答えが出ないまま終わったので、本屋へ行ってみることに。(迷った時は本屋がいい)




気になった本を大人買い。昔読んだことある本ばかりだけど、なんだか急に読みたくなったのだからしょうがない。



しばらく転職活動は止まり、読者タイムへ



本って素晴らしい

本を読んでると面白いのは、この世界がわかったような気持ちになって、こんな問題解決を自分もしてみたいなと心に火がつく(ファイヤーーー!!)


本は紙だから、よく燃えるんだ。



やっぱり自分は組織

いろいろと本を読み終わった後にわかったことは、やっぱり自分は「組織」というキーワードが好きだなと。組織という言葉の抽象度が高すぎて、スーパーフォーカスとは程遠いが、このぐらいの抽象度がいい。人生には余白が必要だ。転職活動という冒険を通して具体化していけばいい。

・コンセプトとは世界をよくする方法
→「組織」というキーワードと「世界がよくなること」を繋げたい。



コンセプトは2つある

残された問題はただ1つ。どうしたら私は幸せになれるのか?
この問題に対して、フロー理論とマズローを組み合わせて考えてみた。


フロー理論とは?

「フロー理論」とは、人が夢中になって何かに集中し、最高のパフォーマンスを発揮している状態(フロー状態)についての心理学の理論です。



このフロー理論に基づいて自分の幸せを定義するなら、自分は「不安」が欲しい。とにかく今のスキルレベルでは不安になるぐらいの挑戦が欲しい。不安が覚醒に変わりフローを体験する瞬間が好きだし、幸せを感じる。この世界のどこかにあるだろう「不安」を探して冒険に出かけようと思った。



今度はマズローを通して自分を見つめ直してみる。

「不安が欲しい」という欲求はどこからきているのか整理したかった。一見すると、自己実現の欲求で至高体験を経験したいという崇高な考え方に見える。そう言いたいし、そう思いたい自分がいた。だけど現実はそうじゃなくて、これは生命を維持したいという生理的欲求なんだと認めることができた。能力がなければ生きていけないという恐怖から生まれてくる感情。

時代が変わり、クライアントの課題が劇的に変化する中で、自分が保有するスキルの賞味期限を感じていたのかもしれない。時代が変わっても変化しない普遍的な経験もあるだろうが、そんなことを盾にしながら生きていくのは窮屈だ。

「不安」という欲求の正体は、生きる力を求める欲求なんだと整理できた。


・コンセプトとはあなたが幸せに生きられる方法
→不安になりたい。フローの中で生きたい。その結果生きる力を高めたい。



金、役職、WLBは??

そういうのを求めない求道者みたいな人間ではない。ただ経済における需要と供給のバランスを信じていて、そういうのは最初から調整しなくても後からいくらでもついてくる(そもそも実力があれば、最初から相手が調整してくれる)。スタートアップベンチャーや外資のような実力主義の世界で働くなら、そういう自然の摂理に身を任せた方がいい。求めてはいるが、スーパーフォーカスするようなことじゃないなと思ったので今回は考慮しないことにした。




会社選びのフェーズ

会社を探して決めるまでのプロセスは割と普通で、エージェントさんを頼ったり、知り合い経由で会社を探したりという感じです。HOWの部分は残念ながら面白いことが何もない。


ないものは、ないのだ。


振り返ってみてよかったことはいくつかあって、「組織」という抽象度が高いコンセプトだったこと。余白があることで自分の明確な軸と照らし合わせて「合っているか、合っていないか」みたいな相手をジャッジするようなコミュニケーションではなく、企業によって異なる組織理論の違いを素直に受け入れて楽しむことができた。

もう一つ良かったのは組織論におけるインプット量を増やしたこと。知識量があるからこそディスカッションに深さが生まれて、相手の深い部分までを知ることができた。深い質問があるのではなく、前提となる知識と経験の積み重ねが議論を深くするということを再認識できた。


勉強が私たちを高みへと導くことはないが、高みに到達した人間と議論するには勉強が必要だ。




なぜSALESCOREに決断したのか?

決断理由はコンセプトとマッチした最高の選択肢だったから!!


どや


と格好よく伝えたいところだが、そんなことはなかった。

転職活動を通して素晴らしい価値を提供している企業はたくさんあるのだなと改めて実感したし、コンセプトにマッチする会社は1社だけでなく何社もあった。(そもそもコンセプトが抽象的すぎたのだろう)



SALESCOREの選考体験

1次面接では事業責任者の大久保さんがでてきた。大久保さんは採用のセオリーを無視して会社について説明する人だったのが印象に残っている。


採用のセオリーはゴールデンサークル

About Golden Circle
「ゴールデンサークル」とは、サイモン・シネックが提唱した、物事の中心的な意味や目的を理解し、効果的な伝え方をするためのフレームワークです。このフレームワークは「Why(なぜ)」「How(どのように)」「What(何を)」の3つのサークルで構成されています。

ゴールデンサークルでは、通常の「何を」から説明するのではなく、「なぜ」から始めることが重要とされています。なぜなら、人々は「なぜその活動をするのか」という目的に共感し、応援したくなるからです。


ゴールデンサークルを知らない方がいたら、是非こちらの動画をみてほしい。めっちゃ面白いです。



大久保さんの口説きはHOWばかり

今まで選考を受けたベンチャー企業はセオリー通り、「WHY」を中心に自社説明する方が多かった。心が熱くなるような話が多く、瞬間的に体温が上がるような時間になる。ただ大久保さんは違った…


クライアントの課題は何か? それに対してどのようなソリューションを提供しているのか? 働き方をどのように管理しているのか?といった、HOWをずっと語っていた。そして最後に一言…..


「一緒に時代を前に進めましょう」



これが強烈に刺さった。
この一言が良かったとか、HOWを語ってくれたのが良かったとか、そういうことではない。HOWが卓越していたことが最高だった。私は営業コンサルに対してネガティブな印象を強く持っていたが、顧客の課題とKPIを仕組みとテクノロジーで繋げる発想は卓越していた。同時にここまで卓越したHOWをもつ会社が「深いWHYをもっていないわけがない」と信じることができた。



中内さんの口説きはHOWばかり

最終面接では代表の中内さんと話す機会をいただきました。ついにWHYの話がくるかと思ったら中内さんもHOWばかり(笑)



大久保さんと違ったことは、視点がIT技術者寄りなところ。最高の営業組織をどうやってプロダクトで実現していくか?、新しい技術を活用することで営業がどう変わるのか?、どうしたら営業をもっとゲームのように楽しい、ワクワクするような体験にできるのか? といった中内さんの未来構想について話を聞かせていただきました。そして最後にお決まりの一言…


「一緒に時代を前に進めましょう」


おいおい、大丈夫かこの会社の選考者体験は??
って思う気持ちはありました(笑) だけど中内さんのHOWもやはり卓越している。この人は完全に組織オタクだなと思って話を聞いてましたが、そんな経営者がいるSALESCOREに夢中になってました。これほど研究熱心な代表がいるからこそ、その熱量が組織の中に根付いていることが伝わってきたし、中内さんの好奇心に対して投資を惜しまない姿勢にも感銘を受けました。(社員の好奇心を育てるために、アメリカ研修を通して世界のセールスイネーブルメントを学ぶ機会を提供している)



中内さんが最高だったのは、自分が理想としている未来をプロトタイプへと既に落とし込んでいるところだ。デモ画面を見せていただいた際に、ここまで未来構想を具体で落とし込んで、実現可能な形にしている点にワクワクした。


SALESCOREの選考体験を通して思い出した、漫画の一コマ。





この選考体験での感情を一言で表すなら「WOW」。卓越したHOWはここで自分の力が通用するのか? と私を不安にさせてくれた。こんなに研究が進んでいる会社があったのかと自分の無知に対して不安になる気持ちと、これを身につけた自分を想像した時のワクワクが爆発した。この爆発を人はWOWと呼ぶのだろう。


私の転職活動において最後の決め手となったのは、コンセプトのマッチ度ではなく「WOW」でした。


最初に決めた軸と離れたところにも、答えはあるかもしれない




WOWがどこにあるのかなんてわからないけど、WOWが選考の中にあることだけはわかってる。



最後に

もっとWOW体験がどうして生まれたのか選考中のエピソードを具体的に書いてよ!!って方もいるかと思います。そこはあえて未来のルフィのために余白を残しておきました。

余白はロマン




私が体験したWOWに興味がある方がいれば、こちらからどうぞ!






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SALESCOREの中村くん
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