あなたのそれ「引退」ですか、それとも「卒業」ですか?
「この4月に長年勤めた会社を『卒業』してさ、ついでに『引退』しちゃったものだから、今はいわゆる『隠居』生活しているってわけよ」
こうすることで、「定年退職」=「無用の人」へと自動的に変容(でも等式なのは「昨日までのあなたが、そのまま今日のあなた」になっただけなので)するのを、日本人が古からもつ「曖昧さ」と言う名の風呂敷で優しく包み込むことができます。
ちなみに本書『定年いたしません!』の中でもご紹介してますが、数ある「定年本」の中で「これは本当に役に立つ」と思った本が『定年入門・イキイキしなくちゃダメですか』(高橋秀実著・ポプラ新書)で、その中で高橋さんは冒頭の「引退」と「隠居」についてこう説明されているのです。
「昨今は会社を辞めるではなく『引退する』と言うらしい。たとえリストラされたとしても『引退した』と言えばブライドは保てる。定年を待たずして引退するということは、現在は引退後の生活ということなのか……」
さらに前述した「引退」を、この際「卒業」と表現してみるのもいいかもしれません。
「芸能人じゃあるまいし『卒業』はねえだろ」
と思われたのだとしたら、やはり前述した「引退」の方が「よりやり切った感が醸し出されるような気がしませんか?(このつづきは本書↓で)