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ハリーポッター かなり正直な感想
皆さま、ご機嫌よう。
『我、良からぬことを企む者なり』
今日は大好きな映画、ハリーポッターの感想です。
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1.この映画について
大作映画全8本の感想をまとめるということで、何から話せばいいのやら。
まあ自分はこの映画には、個人的にとても思い入れが強い世代なんですね。
ハリー達とともに大人になっていった世代と言いますか。
映画好きでこの映画を知らない方はそうそういないかもしれませんが、この映画の雰囲気は前半と後半で大きく変わるので、そうしたところも楽しみの一つだったりします。
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ハリーポッター1作目を観ていた子供たちが成長していくにつれ、登場人物も成長し、作品の対象年齢も上がっていく作りになっているんですね。
作品の中の世界観で語るとするなら、宿敵ヴォルデモートの存在感が大きくなっていくにつれ、作品の雰囲気がどんどんとダークになっていくのです。
1作目の賢者の石を観た後にラストの死の秘宝を見ると、本当に同じ映画なのかとその豹変ぶりに驚くと思います。
監督も1作目からずっと同じというわけではないので、監督によって作品の味わいが変わっていくのを楽しむのも楽しみ方の一つです。
特にシリーズの後半ではデヴィッド・イェーツという人物が通しで監督をしています。
この監督の演出する世界観がとても不気味で、それでいて美しくて好きです。
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この映画の物語は、実はかなり恐ろしい物語です。
端的に言うと、大人が束になっても太刀打ちできない闇の魔法使いのボスが、子供の命を本気で獲ろうとする話ですからね。
勝率はほぼゼロに等しい。
ただこんな救いようのない世界観なのに、老若男女が楽しめる作品として完成させているのが本当に凄い。
著者JKローリングの描く原作小説の時点でそうでした。
恐ろしい物語ではありますが、作品の根幹に、夢や希望といったメッセージが込められている作品なのです。
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2.敵視点からの物語
物語はもちろん主人公ハリーの視点によって描かれますが、
ここはあえて物語の全貌を考えるために、
闇の魔法使いボスであるヴォルデモート側の視点から物語を振り返っていくことにします。
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■ 魔法と科学の関係性
大前提の設定として、この世界の『科学』と『魔法』は相反するものです。
中世以降の目覚ましい『科学』や宗教の発展で、魔法の力を扱える魔法族は、時代の中心からどんどんと外へと追いやられていきました。
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ここから憶測も入りますが、あしからず。
物語に出てくるホグワーツ城が創設されたのは1000年前の西暦993年。
こうした迫害から魔法族を守るという意図も込めて、魔法族の砦としてホグワーツ城は建設されたのではないでしょうか。
科学の発展の前には宗教の発展があります。
今の時代から見れば、人々の思想が統一された教えだとも言えるでしょう。
しかし、この「教会文化」の発達は数ある文化の淘汰の末に為された統一であるとも言えます。
「教会」が一つの教えによって世界を支配する前は、それこそケルトのような土着の思想が無数に存在していたのだと思います。
世界の文献を探せば、あらゆる地方で魔術の歴史が散見されます。
錬金術で有名なアレイスター・クロウリーや日本の陰陽師、生贄を捧げたマヤ文明などなど。
彼らが信じていたものは科学の発展によって説明できるようになったというのは簡単ですが、もしも科学で説明できない今は迫害されて失われつつある力が実在していたのだとしたら。
ハリーポッターは、今も人々が密かに抱く魔法への憧れを世界観として説明したからこそ、ここまでの大ベストセラーになったのではないかと考えます。
物語では、ホグワーツ創設者の一人サラザール・スリザリンが、執拗に非魔法族を嫌うという描写もありました。
その背景には、自分たちを迫害する者たちをどうして受け入れなければならないのかという強い想いがあったようにも思えます。
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■ 敵はあの人物がモデル?
現代に至っては、魔法族は非魔法族から隠れ住むような状態で、大多数の非魔法族は魔法界の存在すら認知していません。
この物語はマクロな視点で見れば、迫害されその存在すら忘れ去られた純粋な魔法族が、非魔法族に復讐をしようとしている物語であるとも考えられるのです。
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自分たちを迫害した非魔法族を忌み嫌う派閥があるのも頷けますね。
ヴォルデモートは魔法使いである血筋を優生だと考える『純血』主義の一族を纏め上げて軍隊を作り、この思想を魔法界を管理する魔法省にすら根付かせることに成功しています。
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一人のカリスマは魔法界の組織を牛耳り、政治すらその手中に収めました。
そして優生思想を掲げて、軍隊を以て武力行使でその思想を世界に知らしめようとしているのです。
誰かを連想させますね。
アドルフ・ヒトラーです。
ヴォルデモートのカリスマ性は、ナチスのこの男に酷似しています。
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ハリーポッターの映画上ではヴォルデモートはほぼ悪としてのみ描かれていて、実際その実情も魂が引き裂かれた化け物ではあります。
ハリーポッターの映画が完結した後に、スピンオフ作品に当たる映画ファンタスティックビーストが公開されました。
この映画は、ハリーポッターの映画の舞台より約70年前が舞台とされる映画です。
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登場する闇の魔法使いがグリンデルバルド。
彼がまさにこの優生思想を基に、世界を牛耳ろうとしている時代が描かれています。
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ファンタスティックビーストでは主人公が大人に設定されていて、作風もハリーポッターよりは更に大人向けに作られている印象を受けます。
対象年齢が高い作品ほど、悪役の行動原理がより詳細に描かれますよね。
ハリーポッターでのヴォルデモートの行動が真に意味するものを説明した描写であるとも考えることが出来るんですね。
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時代設定もちょうどヒトラーの頃と合致し、優生思想が世界に根付いていった時代に、必然的に生まれてしまった悪であるとも言えるのです。
グリンデルバルドの軍隊は、どこかこの頃のドイツ風に描かれていたりもしています。
このグリンデルバルドは作中最強の魔法使いダンブルドアによって敗北したとハリーポッターの中で明言されています。
ダンブルドアと真っ向から対立することとなったヴォルデモートが、このような思想を基に優生による非魔法族の支配を目論んだと考えても、何ら不思議はないでしょう。
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突如現れた優生思想のカリスマであるヴォルデモートは、純血主義派閥の目には救世主に映ったことでしょう。
圧倒的な暴君でありながらも、あそこまで崇拝されていたのも頷けます。
『帝王』と名乗っていますからね。
部下は彼のことを『我が君』と呼んでいます。
怒れば手が付けられませんが、実際に部下を労う場面も描かれています。
魂が引き裂かれているとはいえ、人心を掌握する手腕は本物なのでしょう。
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■ 最後は子どもたちが巨悪に勝つ
この物語は、そんな暴君が少年少女の手によって倒される物語です。
作者の強いメッセージ性を感じますね。
圧倒的な社会悪が、夢や希望を象徴する子供たちによって敗れ去る。
だから、大人が見ても深く心が動かされるのだと思います。
ここまでで、物語全容の話とさせてもらいます。
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3.映画の感想
さて、感想いきましょう。
自分はこの映画には個人的な思い入れが強いので、できるだけ分析しながらかなり正直に振り返っていこうと思います。
■ 物語の語り口
先述した通り、この物語は少年少女の視点で描かれています。
これは、夢のあるメッセージ性の込められたファンタジー作品という点では素晴らしい。
作品への間口を一番広く捉えられる、一番効果的な構成だと思います。
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しかしそれ故に、大人が何も知らないで見るとするなら、終始子供の視点から展開する物語は少し退屈に感じるかもしれません。
ただ、物語上の少年少女は作品を重ねるにつれ役者とともに大人に成長していきます。
親のような成長を見守る目線で鑑賞するのが大人なりのこの作品の楽しみ方かなと思いますね。
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■ 美術について
次に、美術です。
これは非常に素晴らしい。
大作映画ということもあり、今振り返っても文句が何一つありません。
作品の主な舞台はイギリスです。
まずは、中世の頃より受け継いだ様々な様式を統合したような巨大なホグワーツ城。
スコットランド北部にあるとされており、緑豊かな大地の中で湖の畔に聳え立ったその城には圧巻の一言です。
この城を眺めるだけでも、長い歴史を持つイギリスの風土を感じることが出来るのも良いところです。
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そしてダイアゴン横丁。
ロンドン市内に隠された魔法使いの街です。
ロンドンの街並みの雰囲気を壊すことなく、それでいて魅力的な街に仕上がっています。
雑多でありながら同時に統一感のとれた街は、一度は訪れたくなるほどに魅力的です。
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小道具。
これも言わずもがな素晴らしい。
魔法の杖や物語の重要アイテム、映像の端々に映るなんでもない小道具まで、現実世界にはないような魅力あるもので溢れています。
小道具の一つ一つが原作小説に登場するアイテムを忠実、それ以上に再現されています。
それ専用の図鑑が発売されるほどに作りこまれているんです。
こうしたところも魅力の一つですね。
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ハリーポッター含め、映画やドラマの美術は本当に魅力的です。
今後別に紹介する特集を組みたいなとも考えています。
家に飾りたくなること間違いなしです。
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4.ハリーポッターの総評まとめ
これは、ファンタスティックビーストを除くハリーポッターと名の付く作品の総評とさせてください。
ファンタスティックビーストの舞台はアメリカで、厳密には世界観が少し変わるからです。
ハリーポッターは、素晴らしく夢のある作品です。
基本的にアメリカが舞台として用いられがちなハリウッドにおいて、イギリスを舞台にここまで魅力的な作品を映像として作り上げたのは圧巻の一言です。
映像面において退屈することはまずないですね。
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物語は少年少女の視点なので、大人としては冗長に感じることも。
作品ごとの登場人物の成長を楽しみに見るのがこの作品の大人なりの楽しみ方の一つですね。
時には、物語の裏に隠された悪側の主張の行く末なども想像しながら鑑賞すると、大人なハリーポッターが楽しめるかもしれません。
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原作小説ファンは、描写が物足りないと感じることも。
限られた尺でテンポを崩さずに物語を描かないといけないので致し方ないことですが。
もちろん原作小説を読んでから映画を見た方が、世界観により浸ることが出来ると思います。
以上で、総評を終了します。
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5.おまけ
■ ホグワーツレガシーが面白い
このハリーポッターシリーズ、絶大な人気ゆえにゲームにもなっています。
ハリーポッターのゲーム化の歴史は古く、初のゲームが2001年なので20年以上前にも遡ります。
そして直近に発売されて世界中で大絶賛された最新作が『ホグワーツ・レガシー』。
このゲーム『ホグワーツ・レガシー』もハリーポッターファンなら死ぬほど楽しめます。
ファンでない方でも映画の世界に入り込んで歩くことが出来るだけで十分に価値のある作品です。
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日に日にゲームのクオリティも上がってきていますね。
映画と遜色ないクオリティで、能動的な体験ができるゲームが遊べる技術の進歩に感謝です。
ハリーポッターやバットマンにスパイダーマン。
ハイクオリティな映画原作のゲームが今後も増えていくのを非常に楽しみにしています。
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■ ドラマシリーズ制作も進行中
また、このハリーポッターシリーズ。
2025年か2026年頃に、HBO Maxからハリーポッターのドラマシリーズの配信が決定されるという特大ニュースが発表されました!
HBOはアメリカの制作会社で、あの神ドラマ『ゲームオブスローンズ』を制作した会社です。
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描く世界は、映画化したハリーポッターの物語そのものと同じ。
こちらはドラマシリーズということもあり、
たっぷりと尺をとって原作小説に更に忠実に描くと明言しています。
さらに細かい世界観の深堀りまで実現させるのではないかと大いに期待されているんですね。
また、HBOはシリーズの開始から完結まで10年かけるつもりだとも発表しています。
これはもう、本当に期待しかないですね・・・!
またハリーポッターが観れるのかと。
あの『ゲームオブスローンズ』を制作した会社なら、手放しで信頼できると確信しています。
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HBO作品は、基本的にHBO Maxで配信されます。
HBO Maxは、HBOで制作された作品が配信される動画配信サービスです。
しかし、日本ではまだこのサービスは展開されていません。
2024年にアジアの一部でもサービスを展開すると言われていますが、そこに日本とは明記されていません。
では、HBO Maxで見れない場合、日本ではどこで配信されるのか。
有力とされているのは、U-NEXTです。
U-NEXTは、HBOとHBO Max作品を配信できる契約を締結しています。
よって、ハリーポッターシリーズもU-NEXTで配信される可能性が高いのですね。
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ますます一強になっていくU-NEXT。
今後これを倒す黒船が現れるのかどうかは、また別のお話。
ここまで読んでくださり、本当に感謝です。
映画ハリーポッターのイッキ見鑑賞、見たことある方もない方もこの機会に是非いかがでしょうか?
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それでは皆さま、またお会いしましょう。
『いたずら完了』