予備校の自習室にて
予備校で見かけた女の子の話。
ビビットな紫、というかもう12色入りの色鉛筆にスタメンとして出てくるレベルの色合いのワンピースともシャツとも言い難い萎びた服を着た彼女は、ヘアカーラーを着けたまま勉強している。彼女にとって自習室は家感覚なのだろうか。
決して引き締まっていると言えないその身体からは、家でポテチを溢しても全く気にしないぞという気概を感じられた。
なんならポテチの後に濃厚めのバニラアイスを食べるのも厭わないようにも思えた。それもコンビニ置いてある微妙に食べづらい平のスプーンでいく感じ。
一方で何故かリュックだけはGUCCIというなんとも心地よくないコントラストをもつ人だった。ギャップ萎えという言葉がぴったりだ。
まるで場末のキャバ嬢のような彼女は、未来に向かって走っている。
カーラーを巻いたまま、全速力で。