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初めての海外トレイル(宿泊あり)ハイキングで大変だったこと

前々から海外のスケールの大きい自然の中でのハイキングには興味がありつつも大変そうだなと思って尻込みしていたのですが、重い腰を上げてついにニュージーランドで2泊3日のハイキングに挑戦しました。

旅の準備や道中では多少大変なこともありましたが、来て良かった!という気持ちの方が圧倒的に強かったです。なので、同じように海外での数日にわたるハイキングに興味があるけど大変そうだから尻込みしている人の背中を押すために、大変だったことをまとめて書いておこうと思います。何が大変なのかが事前に分かっていれば、不安感は減りますからね。

私が歩いた旅の概要

ニュージーランドのトンガリロ・ノーザン・サーキットというトレイルを歩きました。1周約45kmの道のりで、3泊4日で歩くのが標準的な行程なのですが、私はコースの一部をカットして2泊3日で歩きました。コースの標高は1,000メートル~1,800メートルぐらいです。危険な個所や難易度の高いポイントは特に無く、アップダウンもそこまで激しくなくて初心者でも歩きやすいトレイルです。

今回は2泊分の山小屋を事前に予約しました。寝るためのマットは用意されていますが、シュラフは持参する必要がありました。ガスコンロも設置されていますが食事提供はないので、食料や食器は持っていきました。

まず重要なこと:宿泊施設を使うか使わないかを早く決める

まず最初に考えるべきなのは、宿泊をどうするかです。つまり、山小屋(英語ではHut)等の宿泊施設を利用するのか、それとも自分でテントを持って行ってキャンプするのか、ということですね。これによって大変さがかなり変わってきます。

一番楽なのは、寝具の準備されている山小屋に宿泊し、朝夕の食事も提供してもらうパターンです。テントやシュラフ、食料や調理器具などを持っていく必要がなくなるので、その分だけ荷物が軽くなって体力的な負担が大きく減ります。旅の計画上、体力面に余裕を持たせておくことは重要で、余裕があればトラブル時の急なプラン変更にも対応しやすくなります。その他に、疲れている状態の時にテントの設営や調理をしなくてよくなるので、心理的な負担が減るというメリットもあります。

ただし、そもそも自分が行こうとしているトレイルに山小屋が無いということもあるので、その場合はテント泊をするしかありません。山小屋がある場合でも、食事の提供はしていないとか、寝るスペースは用意されていても、シュラフやマットは持参しないといけないというケースもあります。

逆に、そもそもテント泊の雰囲気を楽しみたいとか、山小屋の小さな部屋で他人と並んで寝るのが嫌だとかいう場合も、必然的にテント泊をするということになります。

また、宿泊施設を利用する場合、気をつけなければいけないことが2つあります。

1つは、人気の山小屋はかなり前から予約をしなければいけないことです。ルート上の山小屋の数は限られているため、人気のルートの山小屋はすぐに予約が埋まってしまいます。数ヶ月前や、1年位前の予約受付開始直後に予約しないと埋まってしまう場合もあります。

宿泊施設を利用する場合に気をつけなければいけないことのもう1つは、もし天候が悪くなっても、日程の変更ができないことがあると言うことです。複数日にまたがるハイキングをする場合、行程中ずっと天気が良いということはそもそも少ないですが、それでもできるだけ天気が悪い日は避けたいものです。ハイキング直前に天気予報の状況を見て、日程を1日か2日ずらしたいと思ったとしても、既に山小屋の予約が埋まっていてそれができない可能性があります。その場合は天気が悪い中で強行するか、最悪の場合は中止する、ということになってしまいます。

予約が必要な場合は早めに

上に書いた通り、宿泊施設を使う場合はできるだけ早く予約しないといけません。テント泊の場合でもキャンプサイトの人数が制限されていることがあるので、事前予約が要るのかサイトに確認して、必要なら早めに予約しておいた方がいいでしょう。

また、トレイルによってはそもそも予約をしないと入場できないこともあります。自然公園の環境保護のためにトレイルへの入場者数を制限している場合などです。こういった場所はそれだけ人気が高いということでもあるので、特に早い予約が必要です。

世界的な状況としても、新型コロナウィルス関連の渡航制限が終わって以降、世界的に旅行者が増えていて、年々予約が取りにくくなっています。もし行ってみたいトレイルがあるなら、まだ自分の休暇の予定が見えていなくても、とりあえず予約の混雑状況をチェックしておいた方がいいと思います。

悪天候への対応

上で書いたとおり、状況によっては天気予報に合わせた計画変更が必要になります。そもそも行程中はできるだけ天気が良いに越したことはないですが、特に絶景のポイントを歩く日だけでも、遠くまで見渡せるような晴天であってほしいですよね。また、極端に天気が悪いとトレイルの通行が禁止されてしまう可能性もあります。

日本国内のハイキングなら、天気が悪いならまた来月にしよう、と割り切れると思いますが、何ヶ月も前から準備している海外トレイルのハイキングではそうもいきませんよね。

なので、予報による天気が悪い場合に1~2日旅程をずらせるように、現地への滞在日程を少し長めに取っておくのがいいと思います。(私は今回この事を考慮していなかったので、限られた日程の中で収まるようにルートを変更したりして中々大変でした。)

体力面は余裕があるに越したことはない

体力面の大変さも不安になるポイントですよね。ただ、日本と比べて海外のコースだからより大変ということは特に無いと思います。外国から観光客が訪れるような人気のトレイルは、基本的に道もよく整備されていて歩きやすいですし、1日の歩行距離が極端に長くならないように設計されていることが多いです。

とは言え、体力に自信のない人は事前に国内の山等でトレーニングしておいた方がいいと思います。体力的に余裕がある計画にしておかないと、天候や怪我、道迷い等のトラブルの際に柔軟に対応できなくなる心配があります。特に、テント等の重い荷物を背負って歩くと疲労感が全然違うので、経験の無い人は事前に慣れておい方がいいです。

また、体調の面から言うと、時差ボケには気をつけた方が良いでしょう。時差ボケしている状態で長時間のハイキングをするのは、肉体的にも精神的にも負担が大きいです。入国した次の日からハイキングを始めるのではなく、身体を慣らすために1~2日の余裕がある日程にしておきたいですね。

飛行機に乗せられない道具は現地調達

荷物は少なければないほど楽です。これは日本国内での登山でも同じだと思います。今回の私の場合、シュラフあり、テント無しで、食料と水を含めて7〜9kgぐらいでした。

ハイキングの前後に通常の街歩き等の観光もする場合、ハイキングに使わない荷物もあると思いますが、そういったものはトレイルに入る前にホテル等で預けておくといいと思います。(私は面倒なので全ての荷物をリュックに入れたままトレイルに行きました。)

また、ハイキングに必要なもののうち、日本から持っていけないものについては、現地で調達する必要があります。例えば調理に使うガス缶は飛行機で持っていくことができないので、もし使用するなら現地で購入しなければなりません。国によっては食料も注意が必要です。フリーズドライや調理済みのパウチ等は問題ないと思いますが、未調理の食材や自分で調理したものは難しい場合があるかも知れません。現地で調達する場合は、事前にアウトドアショップの場所等を調べておきたいですね。

言葉の問題

ハイキング中は他の人と喋る事はとんどないので、英語は喋れなくてもあまり問題は無いです。事前の山小屋の予約とか交通手段の予約についてはWebサイトから予約することになると思いますが、海外のトレイルのWebサイトが日本語対応してる事は少ないので、そこはブラウザの翻訳機能を使う等して何とか対応する必要があります。

まとめ

最後に、改めて特に大変だった事をまとめておくと、宿泊施設の早期予約と、天候に合わせた計画変更の2点です。それ以外は日本国内でのハイキングとあまり変わらないと思います。

日本国内のハイキングも素晴らしいですが、海外にはやはり日本には無い自然の風景があります。もし行ってみたいという気持ちがあるのなら、体力のあるうちに、そしてオーバーツーリズムで行けなくなる前に、是非行っておいた方がいいと思います。

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