『ワールドブルー物語』視点が変わると
ポーン ポーン ポーン ポーン
柔らかいアラーム音が、ワールドブルー本社の社長室で響いた。
誰だ?
今日は朝からとにかく忙しくて、シンドいから放っておいて欲しいのに…
モニターを覗き込むと、蒼林が廊下を歩いてくるのが確認された。
仕方ないか。
深くため息をつくと、ノックされたドアを開けた。
…腰も痛い…
「蒼林君、入ってくれ」
招き入れると、ドッとソファに腰をおろす。
「今ちょうど、ひと段落してね。そうだ、コーヒーを……いれてくれるかい?」
情けないことに、この歳になってもインスタントコーヒーすらいれられない。
いや、いれられない訳じゃない。
ただ、美味しくないんだ。
やっぱりコーヒーは、いれてもらうに限る。
「もちろんです」
蒼林は手際よくコーヒーを2人分用意してくれた。
さて、今日はいったい何の用があるのか。
話したい素振りは見せるが、いっこうに切り出さない。
サークルの新人の事かと思い、尋ねたが違うようだ。
じゃあ、何の話があるって言うんだ?
給料か?休暇か?福利厚生か?
何か違う気がする。
うーん…とりあえず…
「で、今日は ゆに君のことかな?」
当てずっぽうに言ってみた。
「…あ、はい」
わーい!
当たった!
俺、冴えてる!
ゆに君と言えば…
「ふたりでモーニング食べたり、バイクに乗せて帰ったりが噂になったって。悪いことしたな」
…はっ!
心の声がダダ漏れしてた。
「ゆに君、最近元気ないよね」
取り繕うように言った。
「ええ。…社長、永業部の蒼野 樹生はご存知ですよね」
ああ、なるほど。
その話か。
「ああ、もちろんだ。それをわざわざ蒼林君が私に?」
ゆには、別れた元恋人の蒼野 樹生に執拗につきまとわれていた。
別れた原因というのが、蒼野樹生の二股だった。
相手の女性と別れたから よりを戻したいと身勝手な言い分で復縁を迫っているらしい。
「ええ。トラブルになりそうな気配があったので」
蒼林は神妙な顔つきだ。
「実は、事態は思った以上に深刻なんだよ。蒼林君」
ちょっとカッコ良さげに言ってみた。
「社長、もしかして宣伝部の蒼衣 瞳の事を仰ってますか?」
ほう? そこまで把握していたとは。
蒼衣 瞳は、ゆにの宣伝部時代の後輩。
その後輩が蒼野 樹生のもうひとりの二股の相手。
瞳は、樹生から一方的に別れを告げられて、原因はゆににあると逆恨みをしているという。
「蒼林君、キミの情報網は侮れないね。そう、ゆに君に危害が及ぶ可能性がある。だから私がそばで守るつもりだったんだが…」
言い淀む。
下心なんて無いとハッキリ言った方がいいだろうか?
いや、そんなことを言うと逆に勘ぐられる。
そもそも100パーセント無いとは言いきれないし…
少しくらいは…ねぇ?
男の子だし。
「噂になってしまったと?」
そ、「そうなんだ。かえって悪いことをしてしまった。かと言って、あからさまなボディガードを付けるともっと変な噂が流れてしまう。そこでだ…」
そう言うと、いたずらっ子のような視線を蒼林に向けてみた。
「私に ゆにさんを守れと?」
いやいや、そうじゃない。
「昨日、キミ以外の適任者にお願いしたよ。社内のあらゆる情報に精通していて、武術もこなす。それに何より、ゆに君の先輩秘書だ。彼女に一番近い存在と言っていい」
そうだよ、蒼林企業秘密君。
「キミのお姉さん、蒼林 依沙耶ボア君にゆに君の護衛を任命したよ。社長命令でだ」
茶目っ気たっぷりに言い放った。
「姉に?大丈夫なんですか?暴走すると手に負えな…」
「分かっているとも」
私は彼の言葉をさえぎった。
このかぶせ方、ちょっとカッコよかったかも。
「そう。分かっている。ちなみになんだが、蒼衣 瞳の素性は知っているかい?」
「いえ。何も」
「そうか。これはついさっき入手した音声ファイルだ」
私は机の引き出しからICレコーダーを取り出し、再生ボタンを押した。
「何なんですか、これは?」
蒼林が不審げだ。
「まぁ、これはたまたま入手出来たから聞いてもらっただけだ」
大事なのはここから。
「蒼衣 瞳。その名の通り、蒼い瞳を持つ。父親が日本人、母親がアメリカ人だ。母親については、我社のネットワークを持ってしても、傭兵だったとしか分からなかった」
ここで少し、もったいぶる。
「母親が傭兵…?」
「何処の国のどの所属かなど、詳しいことは何も分からなかった」
「肝心なのは父親だ。彼はこのワールドブルーの【土曜日サークル】の創設者だった男だ」
「【土曜日サークル】の創設者…」
蒼林の顔が少しだけ険しくなった。
「そう。キミの実力を持ってしても入ることが出来なかった、あのサークル。通称【SAT】。そんな両親を持つ 瞳だ。用心に越したことはないだろう?」
205話目。
どうも、あおです😁
最近、作家を名乗ってもいいかな?なんて思い始めてます。
危険です!
石を投げないでください!
と言う訳で、先日 自分で書いたものを自分でいじってみました。
言わば、自給自足です。
発想はなかなか良かったんじゃないかと思ってます。自画自賛です。
ちなみに、後半以外はコチラのセリフをそのままコピペして使ってます↓
もし、まだ読んでいなかったら 記憶が新しいうちに読んでみてください。
同じシチュエーションで蒼林目線で話が進みます。
それから、途中で挟んだ音声ファイルはアルロンさんの【ソーシャリー・ヒットマン外伝12「蒼き怨恨と情報戦」】からの引用です。
このシリーズ、めっちゃ面白いからぜひ読んでください!
あなたもぜひ参加してみてください。
参加費無料です(笑)
土曜日サークルもサークル員募集です。
好きに話を広げちゃってください。
ところで、『ワールドブルー物語』って何?
って方はコチラを⬇️
今、どんな内容になっているの?って方は
マイトンさん発信のウィークリレター最新版を⬇️
追うのが大変!って方は
ゆにさんのサイトマップが分かりやすい⬇️
ビジュアルがあると更にイメージしやすい!
アルロンさんの【ビジュアル資料館】⬇️
そして、『ワールドブルー物語』に関連する記事はマガジンにまとめてあります⬇️
色々と充実してきました!
皆さんの参加をお待ちしてます。
物語を書くのが好きな
note初心者の方も歓迎です。
ワールドブルー物語に参加すると、参加者さん同士での「スキ」や「コメント」の交流や物語内での交流も楽しめます。
他の参加者さんも素敵な記事をたくさん投稿しているので、noteを続けるための分かりやすい情報も手に入れやすいと思います。
noteを楽しむきっかけにもなると思いますので、お気軽に参加してみてください。
#ワールドブルー物語
と言う訳で今回は、
視点を変えると社長のキャラも変わる
ってお話でした!
今日も最後まで読んで頂き、ありがとうございました😊
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ではまた!
あおでした😁