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避難所等限られた空間での運動による健康維持に関する情報まとめ

はじめに

 2024年1月1日に発生した能登半島地震により、被災された方々に心からお見舞いを申し上げます。余震も続き、厳しい寒さの中不安やストレスを抱えながらお過ごしの方もたくさんいらっしゃると思います。一日も早く平穏な生活に戻られますことをお祈り申し上げます。

 避難所での生活や車中泊、仮設住宅など限られたスペースでの生活では身体活動量が確保しにくい環境になるため、エコノミー症候群や低体温症、生活不活発病などのリスクが高まります。本記事では過去災害時等にて発信された信用できる情報を中心にまとめました。

災害時の避難所生活における運動の重要性

 災害時に避難所生活を余儀なくされる場合、限られたスペースと不安定な生活環境の中で、身体的および精神的健康を維持することが非常に重要です。

  1. ストレス軽減:災害は多大なストレスを引き起こし、それが精神的健康に影響を及ぼすことがあります。運動はストレスホルモンを減少させ、気分を向上させる効果があります。

  2. 身体的健康の維持:長期間の避難所生活では、身体活動の不足が健康問題を引き起こす可能性があります。適度な運動は筋力維持、心臓血管系の健康、そして全体的な体調を良くするのに役立ちます。

  3. 社会的交流の促進:避難所での運動は、他の避難者との交流の機会を提供します。これは、共感やサポートを感じ、孤立感を減少させるのに役立ちます。

  4. ルーティンの確立:災害によって日常生活が一変する中、運動を日々のルーティンに組み込むことで、一定のリズムと安定感を生活に取り戻すことができます。

このように、避難所での運動は、身体的、精神的健康の両面で大きな利益をもたらし、災害時の困難な状況を乗り越えるための重要な手段となります。

【厚生労働省】
避難所生活や車中泊などにおけるガイドライン

以下、東日本大震災後にまとめられた総合的なものです。

【厚生労働省】
避難生活に伴う心身の機能の低下の予防について

以下、生活不活発病に関する情報がご覧いただけます。

【厚生労働省】
深部静脈血栓症/肺塞栓症
(いわゆるエコノミークラス症候群)の予防について

以下、厚生労働省より平成28年熊本地震時に開示された内容です。

深部静脈血栓症/肺塞栓症(いわゆるエコノミークラス症候群)の予防Q&A (一般の方々のために)

Q1. 深部静脈血栓症/肺塞栓症とはどんな病気ですか?
長時間足を動かさずに同じ姿勢でいると、足の深部にある静脈に血のかたまり(深部静脈血栓)ができて、この血のかたまりの一部が血流にのって肺に流れて肺の血管を閉塞してしま う(肺塞栓)危険があります。これを深部静脈血栓症/肺塞栓症といいます。エコノミークラス症候群と呼ばれることもあります。

Q2. どのような症状が起こるのですか?
主に片方の膝から下の脚に、発赤、腫脹、痛み等の症状が出現します。このような症状が発生したら急いで医療機関を受診する必要があります。 足にできた血栓が肺に詰まると、胸痛、呼吸困難、失神等の症状が出現し、大変危険な状態になります。

Q3. 予防する方法はありますか?
長時間同じ(特に車中等での窮屈な)姿勢でいないようにしましょう。 足の運動をしましょう。
(例)
•足や足の指をこまめに動かす。
•1時間に1度は、かかとの上下運動(20―30回程度)をする。
•歩く(3-5分程度)。
適度な水分を取りましょう。

Q4. 深部静脈血栓症/肺塞栓症が起こりやすい人はいますか?
(1)高齢者、(2)肥満の方、(3)妊娠中・出産直後の方、(4)外傷や骨折の治療中の方、(5) 最近の手術を受けた方、(6)下肢に麻痺のある方、(7)がんの方、(8)慢性の心肺疾患や自己免疫性疾患のある方、(9)経口避妊薬(ピル)を服用中の方、(10)深部静脈血栓症や肺塞栓症になっ たことがある方、(11)血栓性素因(血が固まりやすい体質)のある方などです。
なお、避難している時に長い間座ったままや横になったままでいたり、車の中で泊まっていたりする方、とくに高齢の方では注意が必要です。

厚生労働省厚生労働科学研究事業「難治性疾患克服研究」
血液凝固異常症研究班
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000121802.html
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具体的エクササイズ等運動方法

●【Yahoo!天気・災害】
基本的かつ簡単に実施できるエクササイズ

●【NHK健康】
高齢者向け省スペースにて実施できるエクササイズ

●【日本レクリエーション協会 レクぽ】
身近な物を使ってすぐに取り組める運動遊びの紹介

様々な目的や対象に合わせて実施できる運動遊びを検索できます。用具が不要なものや、タオル、新聞紙など比較的手に入るもので実施できる運動を中心に探してみてください。

運動、運動遊びに取り組む上で…

 皆様の身の安全を最優先に考えていただくことが何よりも重要です。万が一余震などが発生した際には、速やかに運動を中止し、安全な場所や体勢を確保するようお願いいたします。

スペースを必要とする運動を行う際には、周囲の安全確認を入念に行ってください。地割れやガラス、瓦礫などの破片がないかを十分に確かめ、安全に留意して活動を進めていただくことが重要です。

避難所では多くの方々と共にスペースを共有しております。他の方々に迷惑やストレスをおかけしないよう、周囲への留意とコミュニケーションを大切にしつつ、運動を行っていただければ幸いです。

また、運動の方法について不安や疑問をお持ちの方は、避難所のスタッフや看護師の方々にご相談いただくことをお勧めします。ただし、彼らも連日休息を十分にとることが難しい状況にありますので、配慮深く接することを心掛けていただければと思います。


 皆様が大切な方々と共に少しでも健康な状態で普段の生活に戻れますことを心よりお祈り申し上げます。


宇山 賢

https://lit.link/uyamasatoru