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手触りのあるものづくりを楽しむ | ユカイ工学 ハードエンジニア 小畑 承経 インタビュー
みなさんこんにちは。デザイナーの はらだ です。
2022年、ユカイ工学noteの書き初め務めさせていただきます。
さて、ユカイ工学は新年の大きなニュースとして新製品発表を行いました!
その名も甘噛みハムハム!
今回は甘噛みハムハムのエンジニアリングを担当した、エンジニアの小畑さんに話を聞きました。
【 Profile 】
小畑 承経( Obata Yoshinobu )
- ユカイ工学 / ハードエンジニア
逆求人サイトでQooboを見て興味を持ち、修士課程卒業後に入社。主に受託開発を担当。エンジニアとしては、筐体設計・ファームウェアの開発が主な担当。2021年に大学院の博士課程に進学し、人体模倣ロボットの研究に従事。
手触りのあるものづくりの過程が楽しい
----- ものづくりに興味を持ったのはいつ頃でしたか?
小畑
小学校2年生くらいかな、テレビで高専ロボコンが流れていたんです。
思わず「お母さんこれ何?」って色々聞いて。その時にはもう高専に行こうと思っていました。
でも、興味があったのはロボットだけではなく、ものづくり全般で…実は、小学生の頃の夢はパティシエだったんです。
「自分で作ったケーキ食べ放題じゃん!」って単純な発想だったんですけど、高校進学時には調理の専門学校も視野に入れてオープンスクールに行きました。
もちろん高専もオープンスクールに行って、結果的には長崎の佐世保高専に進学しました。
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----- パティシエとエンジニアって業界がガラッと変わる印象ですが…どんなところに興味があったんでしょうか?
小畑
どちらも、できあがっていく過程が好きなんです。
僕はどちらかというと手で触れられるものを作るのが好きで、ケーキでもハードウェアでも、作業に対して結果が目に見えると嬉しい。
進路は直感的に高専の方が合っているなと感じたので、ロボティクス方面に進みましたが、今でも料理は好きですね。
なんか面白いもの作ってるじゃん
----- ユカイ工学を知ったきっかけは何でしたか?
小畑
逆求人サイトのLabBaseで「ロボット」って検索したらユカイ工学だけヒットしたんです。
紹介ページからユカイ工学のコーポレートサイトに飛んで、Qooboを見て「なんか面白いもの作ってるじゃん」って思ったんですよね。
色々ロボット見てきたけど、この発想はなかったなって。
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BOCCOも見たことはあったんですけど、ユカイ工学のロボットだとは知らなくて。「よく使用していたコワーキングスペースに展示してあったやつだ!」ってサイトを見て驚きました。
なので入社前は、Qooboのイメージが強くて、セラピー系のロボットをたくさん作っているところなんだろうな〜と思っていました。necomimiとかもあったし。
----- 入社してからユカイ工学の印象は変わりましたか?
小畑
変わりましたね。自社開発のプロダクトばっかりと思っていたけど、受託の仕事が多いんだなって。
入社当時はBOCCO emoもPetit Qooboも開発中だったし、教育事業 kurikitもまだ始まってなかったから余計にそう感じましたね。
逆に、働く環境に対してはギャップはなかったです。
面談時に「ユカイ工学は教授がいない研究室みたいとよく言われる」と聞いていて、たしかにそうかなって。
仕事と研究、二足の草鞋を履きながら
----- 小畑さんは昨年から大学院の博士課程に入られてますよね。なぜ博士課程に?
小畑
もともと博士課程にはストレートで進まずに、お金を貯めてから進もうと思っていたんです。
一昨年の10月に、修士でやっていた研究が論文としてある程度書けた時に、先生からお声がけいただきました。ちょうど良いタイミングだったので博士課程に進みました。
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----- 仕事と研究のバランスとるのは大変じゃないですか?
小畑
そうですね。仕事を終えて家に帰ってから研究をするんですが、できる時とできない時とありますね。
大学生の時は、朝から夜中まで研究室にこもって研究していたんですけど、仕事してからだと当時のようにはいかないんです。
コミュニケーションの種類というか、仕事と研究とで使う能力が若干違う気がしていて。同じようなことをしている風に見えるけど、全然違う。もはやパラメーターとかで可視化したいくらいです。
チームで進めるユカイのものづくり
----- 印象に残っているお仕事はありますか?
小畑
受託のお仕事なので具体的には言えないのですが、BOCCO emoを活用したプロジェクトは達成感がありました。
チームも一体感があって…PMは佐藤さん、エンジニアは作田さん、セバスチャンさん、伊藤さん、岩井さんメインで、前田さんがディレクション、セールスに荒木さん。
力のあるメンバーが集まっていたので、少ない人数でもうまく連携して進められたのでよかったです。
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もうひとつ、先ほどとは違うお仕事なのですが、タブレット型スマートスピーカーの試作を3日で作った時はユカイ工学の底力を感じました。
1日でデザイナーの坂本さんが筐体デザインをして、1日で僕が設計と造形をやって、1日でエンジニアの田中さんがマイコンとUI画面の紐付けをする。
なんかもうメイカソン* じゃん!って感じでした。
* ユカイ工学では年に1度、複数人グループでものづくりをするイベント「メイカソン」を行なっています。
受託のお仕事は自分のクレジットが載ることが少ないので、縁の下の力持ち的ポジションになることが多いですが、実際に作ったものが量産されて世の中に広まっているのを見ると嬉しいですね。
メイカソンから彼の熱に引っ張られてここまできた
----- 量産といえば、今大きいお仕事を担当されていますよね。
小畑
そうですね、先日プレスリリースでも公開した甘噛みハムハムです。
ようやく公で言えるのが嬉しいですね。
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以前ユカイ工学noteにも登場した猫舌フーフーの生みの親である、CMOの冨永さんが2020年のメイカソンで発表した製品なんです。
僕も同じチームで、初めてアイデアを共有してもらった時から製品化、量産化までエンジニアリングを担当させてもらっています。
もう冨永さんの圧倒的な熱い気持ちに着いていったらここまできちゃった、って感じなんですけど。
なんかすごいユカイっぽい製品だと思うんですよ。
妄想から生み出されたハムハムするだけのロボット。最高じゃないですか?
僕、ユカイ工学でやりたいことが2つあって。
教育的なロボットと、Qooboのようなセラピー的なロボット。
甘噛みハムハムって後者に近い存在なんです。
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Qooboって何をどう考えて作っていったんだろう?ってずっと気になっていて。甘噛みハムハムを作っていく過程で「こんな感じなのかな?」ってちょっと追体験した気持ちになりました。
プロトタイプを作って、いろんな人にハムハムしてもらうのを何度も繰り返してきたのですが、面白いことに、みんな笑うんですよ。絶対。
これってすごいことだと思いません?
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ユカイ工学は「やりたい!」って声に対して否定する人いなくて「やってみるか」ってなるんです。もちろん、難しい結果になることもあるんですけど、それも面白がって再トライしていくんです。
だからものづくりって楽しいんですよね。熱を持ち続ければ作れちゃう。
甘噛みハムハムは、冨永さんの熱がみんなに伝導したから生み出せたロボットだと思います。
元気なオタクは強い
----- どんな人と一緒に働きたいと感じますか?
小畑
元気な人ですね。
テンション高くて、健やかな人だと心強いじゃないですか。
あと、オタクもいいですね。オタクは面白いし、仕事もできる。
やっぱりユカイ工学で一緒に働くなら、ユカイ工学らしさを深めていきたいじゃないですか。だからこそ、ものづくりが好きなことって重要で。
僕自身ものづくりを嫌いになったことってないんです。
沼にはまって辛いと感じる時はあるけど、楽しさは絶対残っている。
それに、これはユカイ工学に入ってからの気づきで、作ることだけじゃなく、売ることにも違った面白さがあるんです。趣味のものづくりとはコストのかけ方が違うし、関わる人も増えてくるのでその分、難しくて面白い。
BOCCOとBOCCO emo、QooboとPetit Qooboのようにアップデートしていく面白さもあったりするし。興味深いことばかりです。
そこも一緒に楽しめると嬉しいですね。
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----- 今後の活躍も楽しみにしています!ありがとうございました!
編集後記:妄想の輪郭
妄想がカタチになっていく過程ってこんなにも泥臭いのか。
そんなことを感じるのはユカイ工学にいるからでしょうか。
作っては試す。試しては壊し、また作る。
薄い膜を何層にも重ねて厚みを出すように、ぼんやりとした妄想の輪郭を具現化していく作業はなんとも果てしない。
それでも彼らは何とも楽しそうで。手を止めることをしません。
ひとりの妄想が火種になり、ユカイ工学でカタチをつくり、世界中に体験を届ける。
これだから、ものづくりってやめられない。
ひとりでは到達できない未来をみるために、今ここにいるんだと感じます。
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