考えない日記:3 4/22-4/26
4/26 風が強く吹いている。隙間風で風鈴。部屋に小蝿がいる。しばし眺める。電球への突進と退避を永遠に繰り返す。やがて机に落ちる。それを使いかけのティッシュでつまんでゴミ箱へ捨てる。彼は蝿ではなく別の名前で呼ばれるべき生き物だった気がする。
パティ・スミスの本を書架から引っ張り出してきた。まだ読み始めてはいない。『パティ・スミス完全版』東玲子訳 発行アップリンク
大工さんはお休み。そろそろ外壁が付きそう。
パンや菓子を焼く人が増えたので強力粉が品薄らしい。
昨日の切り花の名前<アリストロメリア>
陽が落ちて風が嘘のように止んだ。
遠いマンションのオレンジの灯りが眼にも優しい。
明日は缶ゴミだから月曜日だろうと思う夜二十二時十四分。
4/25 太陽が暖かい。近所の街路樹の足下にナガミヒナゲシの花が一輪咲いている。
郵便局の帰りに花を買った。切り花。名前を聞きそびれた白い花。一本250円を三本。それだけでも花は二十輪程咲いている。家に戻り茎を少し切ってテーブルへ飾る。それだけで部屋が明るく、清々しくなる。
近所からコーヒー豆を焙煎している香りが漂ってくる。
いつもネットで注文している食材が、回線の混雑で手に入りにくくなったと飲食店経営者から聞いた。ネットショッピングは常連さんになっても融通は一切効かないねと。
須賀敦子さんの本を読み始める。『塩一トンの読書』
夕食はお持ち帰りのスペイン料理。生ハム、タコの燻製、アボガドのフリット、海老のアヒージョ、チョリソーなど千五百円で二人前。ヒューガルデン。
4/24 朝から温め途中の牛乳をこぼして一騒動。普段掃除を怠っている部分が綺麗になる。牛乳を購入して下さいという情報を良く目にするようになった。スーパーや洋食材店では好みのバターは売り切れ。バターは製造調整しているのだっけ。非常時には白いものが品薄に?「白いもの、とめどのないものが好きだ」といったのはヘッセだったっけ。「忘れられた懐かしいメロディーのように青い空を彼方へと漂っていく」うる覚えヘルマン・ヘッセ。
二回目に温めたミルクの表面に揺らめく膜。粉のコーヒーを溶かして飲む。コナコーヒー。食パン、バター、夏蜜柑のマーマレード。
朝ごはんって軽いのが好み。手をこめていなくて良いのだけど、気分の重要度としては昼夜よりも大事。天気良好。千葉の方角に積乱雲。大工さん今日は中位の紺色ブルージーンズ上下。
4/23 工事のついでにセメントで埋められてしまったこじんまりとした崖に蟻がいた。数匹で巣穴から土を運び出していた。一粒ずつ口にくわえては崖下へ落としていった。運ぶのになんらかの秩序もありそうだった。いつまでも見ていられると思った。大丈夫、物事は前進する。
昼はトマト缶とベーコン、玉ねぎでパスタ。普段手に取らないブロックベーコンが魚肉みたいな雰囲気。次は薄いのに戻す。
ベース(横須賀米軍施設)で働く知人の話を聞いた。食品系なので仕事には行っているけれど交代制。出勤日数は減った。普段は固定給が低い分残業で稼ぐのだけれど、今はそれがないこと。どうやら隔離施設が出来ていること、など。
4/22 近所で家を建てている大工さん。今日は極端に薄い白っぽいジーンズの上下。何着持っているのか。
最後の一つをしつこく取っておいた四パック入りのアロエヨーグルトを朝食にする。期限が切れていた。貰い物のビスケットとカマンベールチーズ、トマト。コーヒー。ヨーグルトもやっぱり食べた。
昨日、キッチンを模様替え。冷蔵庫の位置を変えた。残っていた玉ねぎ半分と芽が出てしまいそうな新ジャガは昼か。
晴れている。西の空。東は雲。午前中。ゴミを出しに行くと何も無かった。曜日を間違えていた。
ラジオ。クラッシック。
ー考えない日記3ー 終
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