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#私の作品紹介
54字の物語(1)『紫陽花』(ショートストーリー付き)
僕は東京で仕事に追われる日々を送っていた。思いがけず君から届いた紫陽花の絵はがき。かつて、君と訪れた鎌倉を思い出す。「鎌倉にて。」と締めくくった君の意図は何だろう。短い花の季節を惜しむかのように、今すぐ君に会いに行かなければと僕は心が急いていた。今度こそ、君への想いを伝えよう。そう決心した僕は、その絵はがきを鞄にしまい、雨の中、鎌倉へと急いだ。とにかく、ただ会いたかった。そして、君と離れていた時間
もっとみる54字の物語(38)『お弁当』(ショートストーリー付き)
☆『お弁当』/Roco☆
「あのさぁ、
お弁当作ってきてあげようか?」
きのう唐突に君はそう言った。
僕は君を見つめたまま何も言えなかった。
「おなかすいたー。」
お弁当の蓋を開ける君と目が合った。
コンビニの袋から取り出す菓子パンの袋。
「あのさぁ、
お弁当作ってきてあげようか?」
きのう、唐突に君はそう言った。
僕は君を見つめたまま何も言えなかった。というのも、話らしい話をした
54字の物語(18)『予期せぬ別れ』(ショートストーリー付き)
☆『予期せぬ別れ』/Roco☆
いつでも会えると 高を括っていた。
「そのうち帰るよ。」を口癖にしていた私。
誰よりも大切な母が もういないなんて。
納涼の候、暑い日が続きますが、
お変わりなくお過ごしでしょうか?
そんな便りを出したくなるような、
京都の晩夏。
賀茂川、夕涼み、かき氷。
「おかえり。おむすび作ったろか。」
母の声が聞こえる。
「秋になったら、トロッコ列車でも
乗り