時期尚早だけれど、思い切ってインタビュー講座を受けてみた
毎日読ませてもらっているライターの江角悠子さんのメルマガで、「インタビュー体験講座『取材ができるライターになろう!』」なるものが開講されることを知った。
「書いて、しあわせになる」をコンセプトに発信をされている江角さんには、日ごろから主催するオンラインサロンに入らせてもらったり、記事の添削をしてもらったりとたいへんお世話になっている。こんな風に書きたいな、こんな思いをもって働きたいなと憧れるライターさんだ。
インタビューが体験できる!?めっちゃ楽しそう…!!
でも…私は地方の自治体の公務員として2歳児の育児をしながら毎日ドタバタと過ごしているただの素人noterである。書く仕事に憧れてはいるけれど、全くライターと名乗れるものはない。
そんな私が誰かを取材して記事を書くなんて、まあ当面そんな機会は巡ってきそうにない。楽しそうだけれど、自分が受講していいものなのか。分不相応ではないか。そんな思いがあって、毎日目に入るけれどなかなか申し込みができずにいた。
しかし、講座の開講日のその時間帯は、偶然にも夫の託児をアテにできる日だ。今月は夫が仕事で土日抜けることが多いから、この偶然は貴重だ。
また次の機会…と思っているうちに逃してしまうものは世の中に五万とある。多分、いや絶対、受講したら楽しかった!となるはずだ。
前日になってようやく気持ちが固まり、受講することにした。
開講の時間、ドキドキわくわくとした気持ちで、PCの前に座った。
受講者の皆さんは、すでにライターの仕事をされている方もいたけれど、全くの未経験という方が多いとのことだった。少しほっとした。皆同じような気持ちで画面の前にいるのかな、と思った。
まず、インタビューができるようになるとどんな未来が待っているか?皆でアウトプットした。
仕事の幅が広がる、単価が上がる、コミュニケーション能力が上がる…
なんか、想像するだけで楽しくて幸せである。
そこからzoomのブレイクアウトルーム機能を利用して、他の受講者の方と1対1で話すインタビュー体験をした。直前に教えてもらった聞くべきポイント、質問のコツ頭に入れた上で、実際にインタビューをした。あとで相手の方について話す他己紹介の時間が待っている。
インタビューした方は、私と同じく、普段は別の仕事をしていて、書く仕事に興味があって勉強しているとのことだった。
仕事の内容や講座を受講したきっかけなどを聞いて、お仕事も発信するネタが多そうな世界だなあと(勝手に)思ったので、そういう関係の記事を書きたいんですか?と聞いてみた。
でもそうではないらしい。その方はご自宅で猫を5匹飼っていて、ペットに関しての話題を集めた記事や、獣医さんが書いた記事をよく読んでいるという。そのような記事を書く「動物ライター」になりたいとのことだった。
私にとっては全く思い及ばないような新しい世界だ。なんせ私は生涯で一匹の金魚も虫も飼ったことがないような人だから。
インタビューしなければ、恐らく一生知ることはなかっただろう。そういった人や世界に出会えることも、インタビューの楽しさのひとつなのかな、と思った。もう少し話を伺いたかったけれど、制限時間の5分はあっという間に過ぎていく。
次に、インタビューされる側も体験させてもらった。地方に住んでいて、子どもがいて、働き方に迷って書く仕事に憧れて…相手の方が心地よく相槌を打ってくれて、また共通点なんかも見つかると、すごく話しやすく感じた。インタビューされるのも、どうやら楽しいものらしい。聞かれる5分間もあっという間だった。
インタビュー体験が終わり、受講者の皆さんの前で他己紹介をする。1分以内にまとめようと意識すると、どうしても気持ちが急いてしまう。受講者の皆さんが上手に要点を押さえて話されているのを聞いて、ここはこの人の本質!必ず伝えたい!の意識を持つことが大切だなあと、また勉強できた。
インタビューで大切なのは、まず目的を考えることだという。誰に、何を伝えたいか、インタビューすることでどうなってほしいか、それに合わせてインタビューする人や、質問を考えていくのだと聞いて、当たり前だけれどすべての仕事につながることだなぁと思った。
この仕事をすることで誰にどうなってほしいのか?そのために今何をすべきか?自分の仕事を振り返っても、行き詰まるときは決まってその意識が抜け落ちてしまっていた。(とりあえず書類を通したいとか、自分が楽になりたいとか…)
目的を見失わずにいれば、自ずとやりたいことや聞きたいことが見えてくる。インタビューの経験は、全く経験のない他の仕事にもたくさん活かせそうだと思った。
インタビューで大切なことや、臨むにあたってのマインドをある程度理解できたところで、2回目のインタビュー体験をした。先ほどとは違うペアを組み、「2025年はどんな年にしたいですか。」というお題でインタビューを行う。
相手の方は、すでにコピーライターとしてお仕事をされているけれど、仕事の幅を広げたいという思いで受講されたという。2025年は、人の話を聞いて記事を書くような仕事をもっと増やせたら、とのことだった。
質問が他己紹介をした先ほどよりもざっくりとしていたので、相手の方のお話しを聞き出すのが難しいかなと思ったけれど、「人の話を聞いてキャッチコピーをつくる」というお仕事の話がとても興味深くて、その方がライターとして活躍し、書かれた記事を読みたい!と素直に思った。すると、自ずと聞きたいことも出てきた。同時に、相手の方の情報を先に知っておけば、もっと聞きたいことが出てくるのに、とも思って、インタビューするにあたっての下調べの重要性もわかった。
インタビューされる側としても、他己紹介で話してもらった私の情報をもとに聞いてくれたことでより話しやすくなった。そして、話すうちに自分がどんな記事を書きたいのかな、誰にどうなってほしいのかな、どんな読者に届けたいのかな、なんてことが以前よりも具体的に想像できるようになって、自分のやりたいことを自分でも深く知ることができた。本音を聞き出してもらう、とはこういうことか、と腑に落ちた。
実際に、誰かにインタビューをして記事を書く機会はまだまだ遠いかもしれない。でもそれすら、自分がこれを書きたい、の思いを持っていれば自分で引き寄せられるものだとわかった。そして何より、インタビューして記事にすることで、読者に興味を持ってもらうことができ、結果その人を応援することに繋がるのなら、インタビューはとても楽しくて双方にとって幸せなことなのだ。それを知れたことが、講座を受講して一番の収穫だった。
時期尚早ではあるかもしれないけれど、やっぱり受講してよかった。とても気持ちが満たされた土曜日の午前中だった。何事も一歩踏み出せば、自分の描きたい未来が待っているということを、またひとつ経験することができた。