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しましましまこんにちは
遅めの昼寝から息子を起こし、お昼に近くのカフェで買ってきたパイナップルケーキを食べさせた。
おいしいね、とバクバク食べてくれたけれど、食べ終わると浮かぬ顔である。ぐずぐずふにゃふにゃとこちらの気を引き、抱っこ抱っことせがんできた。
おやつが余程おいしくて、終わってしまったのが残念なのだろうか。
それとも、数日前から引いている鼻風邪の具合が悪いのだろうか。
いや、単に寝起きが悪くて眠いだけかもしれない。
実は私も最近ずっと体調が優れず、そこに息子の鼻風邪をもらって鼻がズビズビで、メンタル弱弱なのである。普段だと何でもない些細な事でイライラしてしまう。今朝も息子が床に停車させていたプラレールを足で蹴ってしまい、「きしゃたおれたよ!」と言われただけで「うるさい!そんなところに置いておくな!!」とブチ切れてしまった。いかんいかん。そんな程度のことで。。
大体私がこうなると息子は穏やかな夫の方にくっつくようになるのが我が家の日常。しかし今月は土日に夫が勤務で家を空けることが多いため、息子にとっても私にとっても乗り越えねばならぬところである。
幸い、息子のお昼寝中に晩御飯の準備を済ませていたので、その時の私は家事を気にせず息子に構おうという気になれた。
どうしたの?何かしんどいの?
言葉で表現するでもなく相変わらずぐずぐずふにゃふにゃの息子。しんどいの?と私が問うたからなのか「しんどい~」とか細い声で言うので身体のあちこちを触ってみたけれど、特段熱がありそうでもない。鼻の不快感はあるのだろうけれど。
抱っこ抱っこ~と言い続け、ねんねする~と言ったので、布団にごろりとさせることにした。寝る様子はない。
構ってほしいのかな。
最近そんなこんなで息子の遊んで~になかなか応えてあげられていない。息子の心があまり満たされていないのは容易に想像できた。
かーちゃんとお話しする?
ごろりの息子に言うと、おはなしする!と張りのある声が返ってきた。どうやら体調不良ではなさそうだ。
ふと、息子がもっともっと赤ちゃんだった時、ごろりとしたままの小さな息子によく絵本を読み聞かせていたことを思い出した。
久々に、あのときの絵本を読もうか。
私が思い立って持ってきたのは、「しましまぐるぐる」。
小さな子を持つ家族にはあまりにも有名な、色鮮やかにしましまとぐるぐるが描かれた絵本。視力が悪い乳児にもはっきりと見えやすいらしく、息子も気に入っていた。
しましましま こんにちは
私が読み始めると、息子はパッと表情を明るくしてむくりと布団から起きた上がった。
しましま!ぐるぐる!こんにちは!威勢の良い声が響く。さっきのぐずふにゃが嘘のように。
はっきりお話しできるようになってからこの絵本を開くことは随分減っていたけれど、息子は内容をよく覚えていた。
おさかなさん!すいか!など、出てくるイラストが何を指すのか逐一私に教えてくれる。
そして、これはあか!あお!きいろ!おれんじいろいろ!(いろが一回多い笑)など、色も正しく言えるようになっていた。
これを盛んに読んでいた頃は、気に入ったページになるとイラストをバンバン叩いたり、しましまを手でこすったり、そんな表現だけだったのに。
読み方も随分変わってくるものだな。当たり前だけれど、目の前で息子の成長を感じると、こちらが感慨深い気分になった。
今回この絵本を読みながら、特に色の話題が盛り上がった。
息子が正しく言える色は、赤、青、黄、緑、黒、白、オレンジ、ピンク、茶色。
黄緑、水色、紫はまだ色と名前が一致していないらしく、これ何の色?と聞くと指しながらうーんと考え込む。でも、青を少し白っぽくしたのが水色だよ。お水の色と似ているから水色だよ、と言うと、水色だけはしっかりと覚えたようだった。
いや、自分で言ったけれど、お水の色ってなんだ?お水って透明じゃね?
確かに水道水のイラストなどは蛇口から出てくる水が水色に描かれているけれど、これはなぜなのか?そりゃ黒や赤や他の色だと違和感を感じるけれど…これ息子に「なんでおみずはみずいろなの?」なんて聞かれたらどう答えよう。
そんなことも考えながら、息子としばしの間しましまぐるぐるの世界を楽しんだ。対象の月齢より少し上がっていても、絵本というのは十分に楽しめるものなのだなあ、とよくわかった。むしろ理解度が深まり、絵本にまつわる質問やリアクションが高度化してくるのがわかって、親の私の方が楽しませてもらった。
普段は、今の息子が楽しめるのはこういう絵本かな?とタイムリーなところを探しがちだけれど、たまに過去によく読んでいた絵本をめくってみるというのも幸せな時間だ。あのときは言葉で表現できなかったけれど、息子なりに内容を理解し、しっかり楽しんでいたことがよくわかったから。
いつの間にか息子の機嫌はすっかり直っていて、夜ご飯のスープを自分でお椀によそい、ご飯の後にはお風呂掃除を手伝ってくれた。
いろいろ大変だけれど、成長はやっぱりあっという間なのである。
身体がしんどかったり、イライラしたり、泣きそうになったりするけれど、今しかない日常を過ごしているのだなと、気付けて良かった。
こんな日々が、きっと一番幸せである。