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覗き見趣味
あんまり理解されないんだけど、動いているものをじっと眺め続けているのが好きだ。
動物園のサル山は延々と見ていられるし、ダイビングをしていたころは、出会えるかどうかわからないマンタを探すよりも、ありふれた魚が土の中のごはんをパクパク食べているのをじっと見ているほうが好きだった。
子どもの頃、祖父母の家に行くと、洗濯機の番を頼まれた。水があふれちゃうからだれかが見てる必要があるってことだったんだけど、いくら昭和の二槽式洗濯機だからって、それは壊れてるんじゃないのおばあちゃんと今なら思うけど、まあそうだったのであって、わたしは喜んで持ち込んだ台所の椅子に座ってじーっと洗濯機を眺めていた。
全自動洗濯機になるとそれもできなくなった。蓋を閉めないと洗濯が始まらない機種が多く、中が見えないのだ。
洗いだけなら蓋を開けたままで洗濯できるものもあったけど、なんとなく全自動洗濯機の動きは見てても面白くない。二層式のあの力強い動きとか、泡がいつまでも消えないというエンターテイメント性が足りないのだ。
さて、数カ月前に我が家にドラム式洗濯機がやってきた。透明のドアに鼻をくっつけて見ていると、とても面白い。
上から叩き落されたり、ざばざばざばとあの丸い洗濯槽に沿って動く様なんて(うまく説明できない)、としまえんのこれに乗っている気分になる。
標準コースとデリケートコースでは、ただたんに強弱つけてるだけじゃなくて、洗い方の動きがちゃんと違うし、感心してしまう。
ドラム式洗濯機と同時期にホームベーカリーも我が家にやってきたんだけど(どちらも棚ぼたで手に入れた)、こちらも舌を巻く。
生地を捏ねている間は蓋を開けて眺めることができるので、覗いてみる。単に羽根をぐるぐるさせているだけだろうと思っていたんだけど(昭和のニーダーがそういうものだった)、ムラができたり、ボウルの壁に生地がくっついて残ったりしないように、ちゃんと生地が左右上下に回るように捏ねられているのを見て、負けたと思った。
わたしにとってはAIのほうがまだ理解しやすい。人間がなんらかのプログラムを組んでそれを搭載しているんだよね、たぶん。蓄積によって成り立つ技術? そう思えば、スマホがしゃべろうが、ロボットが将棋をしようがべつに不思議はない。
ついでに言えばオーブンも買ったのだけど(こっちは自分で買った)、これにはおまかせ機能が付いていて、食材を入れればあとはオーブンが適当に(適切に)時間を決めて焼いたりあっためたりしてくれる。
食材の温度を検知してなんかやってくれているんだろうけど、蓄積と違って、今の状況を判断して自動で調理するっていう、それがどういう技術なのかわたしには想像ができない。
そうそう最近猫の自動給餌器を買い替えたのだけど、Wi-Fiに接続できて、外出先からでもスマホで操作ができるものが1万円くらいで買える。
先だって長めの出張に行っていたんだけど、ちゃんとカリカリが出たかどうかをしょっちゅうスマホでチェックしていた。ペットカメラなんか導入したらもう仕事どころじゃなくなるなと思ったので、それはもう少しやめておこうと思った。
わたしはものを壊れるまで使うたちだから、アーリーアダプターどころか、周回遅れでテクノロジーの進歩を知ることになるのだけど、いいところはグラデーションで進化を知るわけではないので、石器時代のひとが江戸時代あたりにタイムスリップしたくらいの驚きが得られるところなんですよ。
ということで、覗き見趣味を楽しんでおります。