ぴあサポマガジンvol.10「スッキリ!起床術〜How to get 三文の徳」
色とりどりの草花と新緑が美しい季節になりましたが、元気にお過ごしでしょうか? 今月のぴあサポマガジンでは、スッキリと起床するコツを紹介したいと思います。「春眠暁を覚えず」というように春はぽかぽか陽気でお布団が恋しい季節であることは時代を経ても変わらないようですね。中には「春に限らず年中起きるのが辛い!」というお寝坊さんもいるかもしれません。この記事を通してスッキリ起床して、朝の時間を有効活用したり、1限目の授業に余裕で間に合う生活リズムを作ったりする助けになりましたら嬉しいです。
睡眠の質をあげよう
スッキリ目覚められるかは、ぐっすり眠ることができるかにかかっています。そう、作戦は夜から始まっているのです! この章では入眠前にできる、睡眠の質を上げるコツを紹介します。
①入浴は ぬるめのお湯に ゆっくりと
人間は「深部体温」が低くなると、眠気が誘発されるという仕組みになっています。この「深部体温」は脳や臓器など体の中心の機能を守るためにほぼ一定に保たれているのですが、入浴で深部体温を上昇させることで、逆に低下も起きやすくなり、自然に眠たくなるのです。深部体温を上げるには39~40度くらいのぬるめのお湯に10~15分ほど浸かるのが効果的です。臓器の働きを抑制する「副交感神経」が優位になり、リラックスできる効果もあります。
②快眠の鍵は食事にあり
就寝直前に食事を摂ると、胃や腸が活発に働いているのでなかなか寝つけませんし、胃に食べ物が残っている状態で寝てしまうと胃腸に負担がかかって、眠りが浅くなってしまいます。できるだけ就寝の3時間前に食事を済ませるようにしましょう。どうしても帰りが夜遅くなってしまう場合はバナナや白米など消化の良いものを軽めに食べ、脂っこい食事は避けると良いでしょう。脳を覚醒させるカフェインは就寝の4時間前まで。意外なことに寝酒は睡眠の質を下げるので要注意です。
③脳を休ませよう
寝る直前までPCワークやスマホをする人が多いと思いますが、睡眠にとっては大敵です。それは人を休眠や睡眠に誘う「メラトニン」というホルモンが関係しています。メラトニンは、強い光を浴びると分泌量が減り、反対に暗い所にいると分泌量が増える性質があります。このメラトニンの作用のおかげで人は夜になると眠くなるのですが、PCやスマホの光はメラトニンを抑制してしまうのです。寝る2時間前には電子機器をオフにしてリラックスすると快眠に近づきますよ。また、夜に眠れなくなる原因として「明日はあれをやらなくちゃ」という「翌日への不安感」が挙げられます。これを解消するためには寝る前に翌日の「ToDOリスト」を作成するのが効果的です。頭の中にある「やらないといけないこと」を脳内にためておかず、可視化することで緊張感が和らぎ眠りにつきやすくなることが期待できます。
気持ちよく目覚めよう
質の良い睡眠を取ることができたら、いよいよ朝に目覚めるだけ! しかし二度寝やふかふかのお布団の誘惑を断ち切るのはそう簡単ではありません。この章では気持ちよく起床するためのコツを紹介します。
①5秒ルール
ルールはいたってシンプル。アラームなどで目を覚ましたら「5、4、3、2、1」と脳内でカウント。そして0のタイミングで何も考えずに布団を押しのけ起き上がります! 脳には現状維持を好む作用があり、新しい行動を始めようとするとそれを阻止しようとします。起床しないための言い訳を脳が作り出す前に、何も考えずにカウントダウン。そして起きるだけです! 私も起きるのが辛い時もありますが「朝目覚めた後に後悔したことはないよね?じゃあ起きよう!」と言い聞かせて起き上がっています。起床して30分後くらいには布団でゴロゴロしたい欲はすっかり頭から消えていることが多いです。
②デバイスや環境に工夫を
起きるために環境を整備することも大事です。一番手軽なのが起きる時間に暖房や冷房のタイマーをセットしておくこと。部屋と布団の寒暖差が軽減されて、快適に布団から出ることができるでしょう。「最近よく眠れていない」と感じる人は寝具が自分に合っていないかもしれません。季節に合わせてシーツを変える、枕専門店で自分に合った枕を選ぶなどで改善を図ることができます。また、起きてから朝日を浴びることで体内時計がリセットされ、生活リズムを整えやすくなります。最近では指定した時間にカーテンを開けるスマート家電(下のリンク参照)も発売されています。朝日で自然に起床したいという人は取り入れてみてはいかがでしょうか。
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③家族や友人を頼る
試験や行事など、どうしても寝坊できない大事な場面があると思います。そんな人は家族や友人にモーニングコールを頼むのも一手です。「朝起きれないことを知られるのが恥ずかしい」「こんな些細ことで人に頼って良いのだろうか?」と躊躇するかもしれませんが、意外と周囲も同じ悩みを抱えているかもしれませんよ。お互いの「助け合い」の体験で人との関係性が深まっていくものだと私は信じています。起こしてもらったら感謝の気持ちを伝えることも忘れずに!
おわりに
いかがでしたでしょうか。全てを実行せねばと縛られる必要はありません。筆者も夕食が遅くなったり、スマホを寝る前までいじってしまったりと、快眠にはよくない習慣を脱することができずにいます。あまり気負わず挙げたコツをいくつか取り入れてみて、自分に合ったものを習慣にしてみると良いのではないでしょうか。この記事が皆さんの脱・絶起(絶望的な起床)の一助になることを祈って。それでは良い眠りを〜。
【参考書籍・WEBサイト】
西川株式会社「睡眠のプロが教える!だるさをなくして朝スッキリ目覚める10の方法」
2022年2月16日〈https://www.nishikawa1566.com/column/sleep/20220216143457/〉
バスクリン「良い睡眠はお風呂から! 入浴で睡眠の質を変えよう」
2021年11月8日〈https://www.bathclin.co.jp/health-column/211126_13/〉
大正製薬「睡眠の質を高める生活・食事」
2024年4月12日〈https://brand.taisho.co.jp/contents/tsukare/457/#m2〉
いりたに内科クリニック「『寝る前スマホ』は要注意」
2017年10月16日〈https://www.iritani.jp/clinic_blog/column/%E3%80%8C%E5%AF%9D%E3%82%8B%E5%89%8D%E3%82%B9%E3%83%9E%E3%83%9B%E3%80%8D%E3%81%AF%E8%A6%81%E6%B3%A8%E6%84%8F/ 〉
鈴廣かまぼこ「これでぐっすり!睡眠の質を高める冬の食事3つのポイント」
2023年1月12日〈https://www.kamaboko.com/sakanano/column/basic/post8105.html 〉
西川株式会社「睡眠の質を下げない!上手なカフェインとの付き合い方」
2023年1月12日〈https://shop.nishikawa1566.com/shop/pages/column10.aspx 〉
メンタリストDaigo「最短の時間で最大の成果を手に入れる 超効率勉強法」(学研プラス、2019年)
グリーンハウス「良質な睡眠のすすめ」
2024年4月12日〈https://www.greenhouse.co.jp/wellness/memo/2020/202008/sleep.html 〉
メル ロビンズ「5秒ルール―直感的に行動するためのシンプルな法則」(東洋館出版社、2019年)
【筆者紹介】
工学系研究科修士2年。筋トレとNHKラジオでの情報収集が毎朝のルーティンの朝型人間。
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