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人を惹き付ける文章とは
まえがき
私の文章は、人を魅了する力があるらしい。
Twitterでフォロワーさんにいただいた文章の中にその言葉があった。素敵な言葉を送ってくださったフォロワーさんには大変失礼だが、正直、過分に評価されているなというのが感想だ。
中学受験で書いた作文は200点中120点という何とも言えない点数だったし、読書感想文や作文で賞を受賞したこともなければ、学生時代に作文にしろ論文にしろ文章を褒められた経験すらない。
だから私は私の文章が好きではあるけれど、特段評価されるようなものだとは思っていない。世の中に溢れているうっとりとため息をもらすような素敵で特別で素晴らしい文章に比べたら、私の文章など一瞬で吹き飛ぶ程度のものだ。実際、プロアマチュア問わず圧倒的な才能に打ちのめされることも多い。
しかし、ネットで作品を発表するようになってからなぜだか文章を褒められることが驚くほど増えた。処女作である動画に添えた文章を皮切りに、2年前から書くようになった小説、大好きな人たちへの思いを書き綴ったnote、日々のツイート。細々と書き続けている言葉にありがたいことにファンがつくようになった。
そこで、今回は私なりに文章を書く際に気を付けていることをまとめてみることにした。圧倒的な才能を持たないけれど、身に余る評価をいただくことがある私なりの文章の書き方だ。ここまで目を通してくださった貴方にとって何か役立つものがあれば嬉しい。
私が文章を書く際に気を付けていること
色々あるが、今回は特に大切だと思う3点をざっくりと語っていきたいと思う。
1.文章を読む相手の視点に立つ
自分が書いた文章を相手がどう受け取るか考える。当たり前のように聞こえるが、私の体感としてはこれができている人は少ないなという印象を受ける。
自分のために書く文章なら、どれだけ自分の好きなように書いても何の問題もない。しかし伝えたいことがあるから言葉を使う人が多いと思う。後者の場合、いくら自分にとって満足のいく文章を書くことができても、伝わらなければ評価はされない。
よく、いきなり素敵な文章を書こうと肩肘張って結局何も書けないという人がいらっしゃるが、卑近な例えを持ち出すとそれはお洒落をしようとしてGUやUNIQLOなどシンプルで多くの人に似合う服装をすっ飛ばして、自己流のセンスで服を選び頓珍漢な服装になり失敗するオタクのようなものだ。
まず伝わればいいのである。最初から素敵な文章を書ける人など極稀だ。伝わる文章を書くための一例として、クラスメイトや同僚といった適度な距離がある関係にある人を思い浮かべて、その人に伝わるかどうかを文章を読んで自分に問いかけてみることが挙げられる。
家族や親友なら言葉にせずとも伝わる前提を、貴方のクラスメイトは知らない。砕けたざっくばらんな口調を、貴方の同僚が聞いたら距離の近さに閉口するかもしれない。万人に受ける文章なんて存在しないだろうが、貴方が文章を書く際に思いやりをもって思い浮かべた誰かには好いてもらえるかもしれない。伝えたい誰かを思いやって書いた文章は、きっと誰かの心に届く。
2.気に入った表現はすぐに使ってみる
本を読んでいたり、動画を見ていたり、音楽を聴いていたりする時に、ぴんと自分の琴線に触れる言葉や表現に出会う瞬間があると思う。
そういう時はすぐに使ってみることをおすすめする。私はメモすることすら煩わしく感じるので、日々のツイートや大好きな人に贈る感想に織り交ぜてみて自分の血肉とすべく早速何回か使ってみる。使っていくうちに素敵な言葉や表現が自分に馴染んでいく。
使わなければ、書かなければ何も始まらない。頭の中にいくら素敵で魅力的な構想が眠っていたとしても、形にしなければ人には伝わらない。だからまずは使ってみる。そして数をこなしていく。ツイートでも、日々の会話でも、小説の一文でも何でもいい。自分が素敵だと思った言葉を使ってみた時の、ちょっぴり得意気になれるあの高揚感をぜひ味わってほしい。
3.文章に自分なりの山場を作る
「これが伝えたいから文章を書く」の「これ」を突き詰めてみよう。この言葉が心に刺さってほしい、このポイントが一番伝わってほしいといった山場を設定して、それがひときわ輝きを放つように文章を構成する。
どれが一番伝えたいことなのかを明確にするのは大切だと思う。あれもこれも詰め込みたいとぎゅうぎゅうに文章を書いた結果、結局何が伝えたいかわからないと言われたり、冗長な文章になってそもそも読む気にすらなってもらえなかったりするなんてことはざらにある。
徒然なるままに筆を走らすのではなく、まずは自分の一番伝えたいことを明確にして、文章の構成を考える。考えるといっても頭の中ですべてを完結させる必要はない。私を例に出すと、ツイートをするときにおおまかな文章を書いたら、もっと適切な語彙はないか、文末が繰り返し同じになっていないか、一番伝えたいことが伝わる構成になっているのか、140字という限られた字数の中で意図した全てが伝わるよう、何回も書いては修正して書いては修正してと少しずつ文章をブラッシュアップしていく。
そういった数多の試行錯誤を重ねていくことで、きっと素敵な文章を書けるようになる。凡人の私はそう思う。天才が一発で生み出す素敵な文章にはかなわないとしても、何回も試行錯誤を重ねれば近づくことぐらいはできるはずだ。
だから、今文章を書くことを踏みとどまっている人がいたらとりあえず書いてみることをおすすめする。向いているか向いていないかなんてやってみないとわからない。何気なく書いた貴方の文章が誰かの目に留まるかもしれない。こつこつ書き続けていたら貴方の文章を好いてくれる誰かが現れるかもしれない。
全ては行動した先に待っているかもしれない未来だ。一歩を踏み出さんとする貴方の健闘を祈る。
あとがき
ここまで読んでくださりありがとうございました!拙い文章ですが少しでも貴方の心に響く何かがあったのなら嬉しいです。いつか、貴方の文章に巡り合い心動かされる日を心待ちにしています。
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