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kenkenp11
ちいさい春みつけた~ふきのとうをもらいました~
川の近くを歩いておりますと、真っ白な花が咲く木をみかけました。人の家があります。庭とは違うような気がしましたが、おそらくその家の土地だと思いました。
あまり近寄ることもできず、遠くから眺めていたら女性から声をかけられました。木の近くでしゃがみ込み、何か作業をしていたようです。
「こんにちわ」
自分に向けられた挨拶だと思わず、どう反応して良いか迷いました。
「こんにちわ」
もう一度、声をかけられて、おそるおそる近くまで寄っていきます。女性は、手の中にあるものを私に差し出しました。
「これね、ふきのとう。あげる」
聞いてみれば、ふきのとうを取っていたそうです。すでに花が咲き始めているので、早めに取らないと食べられなくなると仰っていました。
「食べるかどうか……」
ふきのとうを調理したことがありません。天ぷらにすると良いと聞いてはいましたが、今夜は予定にありませんでした。申し訳ない気持ちから、辞退しようとすると、お部屋に飾ると良いよと言って渡してくれました。
白い花がきれいで見ていたと言うと、こぶしだと教えてくれました。
「こぶしが咲くころになるとね、毎年、ふきのとうが芽を出して花が咲き始めるのよ」
毎年、こぶしの花が咲き、ふきのとうが地面から顔を出す。春の華やぎに心あたたまる思いでした。
せっかくもらったふきのとう。食べませんでしたが、部屋に飾ってあります。ふきのとうの花が咲き始めています。