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【読書】『その本は』~毎晩、お話を聞くのが楽しみになる~ 

 ずっと気になっていた緑色の本。『その本は』って一体どんな本だろう?又吉直樹さんとヨシタケシンスケさんのコラボ作品,、読んでみました。

 お二人がかわるがわるに、「その本は……」から、はじめて短いお話をつづっていきます。小さなお話がいくつもあるので楽しいですよ。

 プロローグは、ある国の、本好きの王様がお二人を呼び出すところから。なんでも、王様は本が好きだけど目が悪く、もう本を読むこともできないとのこと。それでも、本が好きな王様は、二人に頼みごとをします。

 世界中を旅して、「めずらしい本」について知っている者を探し出し、その本について聞いてきてほしいとのことでした。聞いた後は、お城に戻って王様に報告しなければなりません。

 二人は王様から旅費をもらって旅をします。戻ってきた二人は、王様の枕元で、毎晩、聞いてきた「めずらしい本」について話しました。


 絵本のような童話のような、おとぎ話のような雰囲気にわくわくしました。お二人がつづる「めずらしい本」についての内容も、面白いものから深く心に刺さるものまであります。

 死期が迫る王様も、お二人の話に笑みを浮かべ、涙をこぼし、ときに胸を痛めたでしょう。深い深い海の底に潜ったような気分にもなれば、空をはばたくような、それこそ、宇宙へ行ってしまうような心地だったかもしれません。

 王様は二人の話に満足しました。

 さて、このお話にはオチがあります。私は、最初にラストをぺらっとめくって読んでしまいました。思わず笑ってしまい、あらためて、プロローグから読み始めました。

 ラストを読まずに読み続けた方は、驚いたかもしれませんね。

 

 

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