【詩】よそものの種
種がひとつぽつりとあった
どこから来たのかわからない種だった
風で運ばれてきたのか
鳥に運ばれてきたのか
ほかの動物が運んできたのか
ひとが運んできたのか
誰にもわからない種だった
誰にもわからない種は大地が受け入れた
雨が降って種を潤した
種から出てきた根っこが地中に広がる
やがて小さな芽が出た
何の種かわからない
どこから来たのかわからない
どんなふうに育つのかわからない
みんな興味津々だった
小さな芽はやがて育っていく
どこから来たのかわからない
何の種かわからない
どんなふうに育つのわからない
みんな興味津々で見守っている