見出し画像

【詩】喜びと共に

変化の中にいるというのに
特に変化を感じない

慌ただしく
焦るように
名残惜しく
寂しそうに

ひとの流れが渦巻いている

どこへ行こうか
どこへ向かおうか
みんなちゃんと決めているみたい

うろうろとおろおろと
さまようような目線なのに
足取りはしっかりしているのだ

心は決まっているけど
後ろ髪を引かれる想いが
迷わせるのかも

タイムアップはいつ?

背中を押されるように
手を引かれるように
何かに急きたてられるように

ゆっくりと歩く
テンポを上げて歩く
さっと走っていく

時間なんて誰が決めたの
なぜ時計を気にするの
カレンダーがなかったらどうなるの

タイムアップなんで誰が言うの
変化は私に関係ない

そう思いながら立ち上がる
変化しなくても良いじゃない
口ではなんとでも言える

頼んでもいないのに
決断を迫られる
願ってもいないのに
変化の渦に放り込まれる

立ち止まったままの時間
無音の闇のような空間
何も変わらない景色
石のような心

そんなときでも
変化し続けている

本当は変化を望んでいる
新しい景色を見たいから
会ったことのないひとに会いたいから

動かない心はただの気のせい
心は変化を告げている
喜びにふるえながら
明日を見せようとしている




いいなと思ったら応援しよう!