おばあちゃんに言えなかった事。
あなたが突然天国に旅立ってから約一年が経ったよ。何だかあっという間だったなぁ。
棺の中、半開きの口で白くなった皺のある肌、うっすら笑っているような目。もう動かないんだ、声を聞けないんだ、と思うと涙が止まらなかった。葬儀のスタッフさんが、
「聴覚は最後まで少し残っているので、ぜひ何か言ってあげて下さい」
って促していたけれど、私、「おやすみ」って言いたかったのに、無反応なんだと思い知らされるのが怖くて言えなかった。ごめんね。
何か贈り物したり、
一緒にお出かけしたり、
祖母孝行できなくてごめんね。
でもおばあちゃんの作るしそジュース、大好きだった。夏にはよく飲みたくなってた。
お泊まりでお世話になったね。バーベキューとか花火とかして盛り上がったね。
中学、高校、大学、そして就職してなかなかそんな機会ができなくなってきて。
でもありがとう。穏やかで柔らかくて、笑った顔の可愛いおばあちゃんだったよ。
今ね、もう少しで東京オリンピックが開催されるらしいよ。色々な意見、課題のある中で開催の日が近づいていて、私的にはオリンピックムードに全くなれなくて困ってるよ。
あとね、来月に今の仕事を辞めるんだ。
新型コロナで生活がガラリと変わって、ふと自分を見つめ直した時、この決断をしたんだ。色んな規制、自粛はあるけれど、そうして自分の人生において大事にしたいもの、叶えたい夢、やりたい事を諦めたくないって考えたんだ。
ほんとはおばあちゃんが生きてる間に、小説家になる夢を叶えて、本を持って行きたかったんだけど、どうか見守っていて下さい。
これからの私の生きる姿を。
立ち止まらず、常に想像力を回転させて、実行して、胸張って生きていくよ。
急にこんな事書いた自分に驚いてるけど。
一周忌のタイミングで自分の思いを整理してみたくなったんだ。
じゃあね。
心を燃やして、未来へ進むよ。