書く事
書く事は私の武器だ。
と言っても、小中学生の時の読書感想文や税の作文は苦手だ。あくまで自分の頭の中で膨らませた空想を文章に書き起こすのが好きだ。
書く事は私の誇りだ。
物語を書いている自分が何より好きだ。熱中できる。贅沢な時間を過ごしていると感じられる。
書く事は私の生き甲斐だ。
ある作品のキャラクターの言葉を借りると、「“人間”を書く」のが小説だ。
今まで生きてきた中で人生の大きな波を迎えたとかの経験がなく、平々凡々な私が書くのは魅力に欠けるが、(どちらかと言えば)豊かな感受性と思考力で編み出す“人間”たちの物語を紡ぐのは、書き手である私自身を表現する事に繋がり、胸が躍る。
家族や親戚の中に、私のように書く事に長けた人はいない。母や妹は読書に夢中になっていたけど、書く事はしない。何かの縁で私に宿った能力を生かさない訳には。これは使命だ、と。
加えて2021年に入って、私が作家として尊敬する人が複数の大きな文学賞にノミネートされる事があった。尊敬するだけに、とても嬉しかったし、刺激をもらった。
彼が執筆活動を始めて約10年のキャリアを積んだ成果が現れた。
私が小説家を夢見て10年以上。彼のように時間はかかっても実るなら、挑戦しなければ。
最近、そう思う。
諦めない。負けない。
何にだってなれるのだから。
私にしか書けないものが必ずある。