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量産型ニーサン社会人

私は今、国道23号沿いに暮らしている。

国道23号とは、愛知県豊橋市から名古屋を経由して、三重県伊勢市に至る一般国道のこと。
(通称・23(ニーサン))

私の住む23沿いは、コンビニ、回転寿司、ファミレス、スーパー、カフェなどのチェーン店が左右に立ち並んでおり、所謂"どこにでもある道"である。

私は大人になるまで、この23沿いだけを生活圏内として終える人生にはなりたくないと常々思っていた。
ユニクロで服を買い、ココイチで昼ご飯を食べ、イオンで買い物をして帰るような生活。
いくらなんでも画一的すぎやしないか。

服は個人経営の服屋、カレーは個人経営のスパイスカレー屋、そして帰りに商店街で買い物。その土地に根付いた個性的な生活をしたいと思っていた。

しかし、結果いま23沿いに住んでおり、ご飯も23沿いのチェーン店で食べることが多い。何なら職場も23沿い。何なら父の葬儀場も23沿いだった。いずれ私も同じ葬儀場で葬儀をしてほしいくらい。まんまと23沿いだけで終える人生になりつつある。

結局どこにでもある道の何が良いかと言うと、
多数の人が行く店が集まっているからハズレがないのだ。社会人になり、働き出すと、衣食住にかける時間が極端に減っていく。
そうなってくるとその残り僅かの貴重な時間をハズしたくないと強く思うようになる。

せめて及第点は出したい。

変に冒険して個人経営のお店に行くと、その期待感も相まってハズした時のしんどさは次の日の朝まで堪える。

その点どこにでもある道に行けば、辛うじて及第点は出してくれる。及第点という名の安心感は身体中に毒となって回り、気付いた時には23から抜け出せない体質になっていった。

これってかつてよく言われていた「量産型大学生」みたいな、「量産型社会人」みたいな感じなのだろうか。

“どこにでもある道”に住む”どこにでもいる人”。
日本のどこを切り取っても同じ社会・人。
金太郎飴のような社会・人。

ただこれだけは言いたい。

…とても楽しい。

ココイチで「ロースカツ」か「手仕込みとんかつ」どちらをトッピングするか、コンビニコーヒーで「濃いめ・普通・軽め」どれにするか、サイゼリヤでオリジナルのフルコースを頼むとか、毎日の及第点をどれだけ増やせるか考えるのが楽しい。及第点からの微増でもそれは自分にとっては楽しい増幅なのだ。(メシ率高め)

23沿いだけでの生活を画一的だと思っていた、
若かりし頃の私に言いたい。

楽しみ方次第でどれだけでも個性的な生活は過ごせるよ!とりあえず今は23沿いで楽しくやってるよ!

あ、あと、ココイチはツナサラダ(ゴマドレ)も美味しいよ!

おわり

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