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【書評】サッカー戦術本「サッカーとは何か」の解説と所感 Vol.5
浦和レッズ分析担当コーチ・林舞輝さんのサッカーの本質を問う書籍「サッカーとは何か」
これまで戦術的ピリオダイゼーションの説明をしてきた
Vol.1-4では、戦術的ピリオダイゼーションの「戦術的」の部分を解説してきた
そしてVol.5では「ピリオダイゼーション」の部分を解説していく
「ピリオダイゼーション」の意味
ピリオダイゼーションとは、サッカーだけでなく、スポーツ全般で使われているトレーニングメソッドの一つで、元々は筋肥大を目的とした筋トレを中心とする考え方だったが、今ではサッカー、バスケ、アイススケートなど、ほとんどの競技で取り入れられている
ピリオダイゼーションの元々の語源は、Period(ピリオド)であり「時代、期間、区分、~期」という意味である
このPeriodを動詞化したものが、Periodise(ピリオダイズ)で意味は「時代分けする、区分けする、期分けする」
このPeriodiseを名詞にしたものがPeriodisation(ピリオダイゼーション)である
よって、意味は「時代分けすること、区分けすること、期間分けすること」となる
スポーツで表すと、試合の日に合わせて1シーズンをいくつかの期に分け、その期ごとに試合から逆算してトレーニングを組み立てていくことだ
シーズンを一定のトレーニング期間に分け、その期間内で試合から逆算して練習の量や強度を変え、負荷を設定し、休みを与えることにより、最大限に効果的なトレーニングを行うと同時に、怪我や疲労のリスクを最小限に抑えることが「期分け」の目的である
ピリオダイゼーションとは、より効率的に最大のパフォーマンスを維持するための、トレーニングの短期的・中期的・長期的な「コンディショニングの計画表」と言って良いだろう
「期分け」の方法
◉マクロ・サイクル
1年、1シーズン、大会によっては半年間(2ステージ制など)を分ける単位で、最も大きな全体の期間、サイクル
◉メゾ・サイクル
1か月や2か月(4~8週間)、サッカーの場合季節など(夏と冬ではトレーニングの負担が変わってくるため)によって分ける中期的な期間、サイクル
◉マイクロ・サイクル
1週間単位の期間、サイクル
これらのサイクルに合わせ、トレーニングをプランニングしていくのである
Vol.6では、ピリオダイゼーションをサッカーに落とし込む為に、どのような考え方をするのかにスポットを当てて解説していく