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【書評】サッカー戦術本「サッカーとは何か」の解説と所感 Vol.6

浦和レッズ分析担当コーチ・林舞輝さんのサッカーの本質を問う書籍「サッカーとは何か」

Vol.1-4では、戦術的ピリオダイゼーションの「戦術的」の部分を解説してきた

Vol.5では「ピリオダイゼーション」の部分の入り口である意味や方法を解説した

Vol.6ではそれらをサッカーに落とし込む為の考え方などにスポットを当てていく

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“サッカー”の「ピリオダイゼーション」を考える

スポーツのピリオダイゼーションはいわゆる「超肥大」理論を始めとする、身体への刺激ー疲労ー超回復ー成長のプロセスを基に、トレーニングの負荷、刺激、疲労、回復、成長のレベルを期分けによってどのように組み合わせるかという研究とモデル化が進んだ

他のスポーツでも、大会期間や特徴に合わせてそれぞれのモデルが発展していったのである

しかし、サッカーに落とし込む時は一筋縄ではいかなかった

なぜなら、サッカーは「頭」と「身体」が切り離せない関係であるからだ

サッカーは走るべきコースは決まっていないし、何も考えずバーベルを上げ続ける必要もない

そもそも何をするかほとんど何も決まっていないスポーツであり、瞬間瞬間で自らが頭を使い「判断」しなければならない

つまり、コンディショニングに特化することができないのである

例えば、フィジカルコーチが「この選手はシャトルランで130回に達したので、万全のコンディションだ」と言ったとしよう

しかし、その選手が本当に必要なタイミングで良いポジションへ最適なスピードで走ったかは別である

つまり、“サッカー”では必ずしも役に立たない基準なのだ(陸上競技では役立つが)

即ち、サッカーにおいては「20分間でどれだけ走れるか」よりも、「20分間でどれだけ頭と身体を使って走れるか」ということが重要である

戦術的ピリオダイゼーションで重要視されるのは、個人がフィジカル面で良いコンディションであることより、その選手がどれだけゲームモデルに基づいてプレーを発揮できるかである

サッカーにおける「良い走り」とは、どれだけ長い距離を走ったか、どれだけ長い時間走れたかよりも、頭を使い戦術的な要素を踏まえ上で適切な判断を下し、いつどこへどのくらいの速さで走れたかの方が重要である

「サッカーにおいては、良いフィジカルコンディションだ、悪いフィジカルコンディションだ、という話ではなく、すべてはゲームモデルに適応してるか適応していないか、である」

                            ールイ・ファリアー

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続いてVol.7では、それらの考え方を踏まえて、実践する為に重要なポイントを押さえていく

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