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創業ファイナンスの極意!起業家の失敗から学ぶエクイティ調達方法【資金編①】

背筋が凍る。
2度と経験したくない問題に気づいたときにザワッとなる感覚。

起業してからあらゆる失敗をして乗り越えてきました。
その中で一番最大の失敗が会社を作るときの資本政策でした
今は乗り越えたので笑い話ですが、当時は文字通り背筋が凍りました。

エクイティ調達についてはベストプラクティスが多く出ているので割愛はしていきつつ、僕の経験を元に伝えていきます。
僕のようなファイナンスは絶対にやめた方がいいので、なぜダメだったのかをまとめていきます。

周りの起業家も苦労しているので、これから起業を考えている方でエクイティ調達を狙っている方に参考になれば幸いです。


✅結論

僕自身、創業当時はエクイティ調達をしたのですが、無知で何も分からなかったため資本政策に失敗をしてます。
結果、出資者が素晴らしい方だったので買い戻すということができたのですが、今でも背筋が凍る思いです。

で、何が失敗かというとバリュエーション(時価総額)の計算です。
バリュエーションの計算をせずに資本金で株の持ち分を計算してしまったのです。
創業当時はこのような割合状況でした。

なぜこのようになったのかをまとめていきます。。

✅エクイティ調達とは?

そもそもエクイティ調達は、スタートアップ企業や成長企業が資金を集める手段として非常に重要な調達方法です。

具体的には、企業が新たに株式を発行したり、既存の株主から株式を売却することで資金を調達していきます。
融資のデットもありますが、今後エクイティとデットのメリデメもまとめていきますね。

✅資本政策の失敗

まずはなぜこのような資本政策になってしまったのかをまとめます。
起業家あるあるなところもあるので、あなたも気をつけてください。。

お金に不安があった

こちらの記事でまとめてますが、僕は未経験の業界で起業したのでノウハウの不安もあるし、さらに資金の不安もありました。

なので、応援してお金を出してくれる方々がいるのは心強かったんですよね。しかも皆さん経営者だったので経営のノウハウも手に入ると。
それに拍車がかかりエクイティ1択でした。

ただ、エクイティではなく日本政策金融公庫の創業融資でデットも選択肢としてありましたし、会計士の先輩からは絶対にデットにした方がいいと強く言われたんですが、不安の方が強かったんですよね。。

ファイナンスに対して無知だった

で、100歩譲ってエクイティで行くとしてもバリュエーションの計算とか資本政策については無知すぎました。。
しかも地方で起業したので、資本政策に詳しい方もおらず資本金の額で自然と株式割合が決まりました。
※まあ、事業も成功するかわからない状況だったので、出してくれるだけで本当に感謝ですが。。

後戻りできない恐ろしさも知らなかった

そして会社経営の中で失敗できないのが資本政策です。
人材・戦略・実行は後戻りできます。
ただ、資本政策だけは相手がNOと言われたら買い戻すことができません。
この怖さは事業成長すればするほど身にしみます。

例えばバリュエーションの計算は抜きにして、単純に利益で計算してみましょう。
資本金100万で100株の会社を設立したら創業当初は1株1万円になりますが、
これが利益1,000万になれば1株10万円です。
で、これが毎年利益もでて内部留保含めて1億円になると1株100万です。

これが3年のうちに達成したとしたら株主からしたらウハウハですよね。
事業に命をかけている起業家なら良いとしても、最初だけお金を出して何もしている株主にも同じ価値の株を持つことになります。

で、悲しいかな儲かると、このような状況になると出資者から買い戻すことは困難です。これがエンジェルからデビルなる1例でしょう。
僕の周りの経営者も株主と揉めてるケースが多いです。

✅創業時のファイナンスで考えること

創業ファイナンスをどうすればいいか相談が多いので、僕の失敗を元にこのように話しています。

資金の用途と目標の明確化

創業時にどの程度の資金が必要で、それをどのように使うのかを具体的に計画することが重要です。
これは当たり前なのですが、僕も創業は不安で冷静に考えられませんでしたがなぜ資金が必要か?を明確にしてください。
事業の成長フェーズに応じて必要な資金額と使い道を考えていきましょう。

まずはデットで調達する

資本政策に詳しくなく、事業がどうなるか分からない状況なら会社登記のタイミングでのエクイティはおすすめしません。
無担保・無保証人融資の日本政策金融公庫の創業融資を是非活用してください。

まずはデットで事業を回してみて実績を元にVC含めてエクイティ調達したほうが有利に交渉できます。

デットはこちらの記事を参考にしてください。

事業が上手くいくならエクイティ調達をやらない

10兆円企業を目指すなら別ですが、あなたが数億〜数十億程度会社を目指すならエクイティではなくデットで十分です。
デットは金利が発生するので抵抗ある方が多いですが、実は事業が伸びれば伸びるほどエクイティの方が資本コストが高いんです。

なので、エクイティ無しで事業が伸びる状況が作れれば、身体の一部になる株は数%でも外部に放出する必要はありません。

出資者のノウハウが欲しい場合はあり

では、創業時に出資を受けるのを検討するなら当時の僕のように出資者のノウハウが欲しい場合です。
例えば業界の著名な経営者でノウハウや顧客紹介をしてくれるなどですね。

僕のエンジェル投資もこのスタンスです。
基本はエクイティ無しで自分でやったほうがいい。
ただ、どうしても僕のノウハウや人脈紹介が欲しい場合は投資を検討しています。

出資を受けるなら相手がどのような意図で出そうとしているかを見極めるようにしてください。

資金調達先との信頼関係構築

で、エクイティを狙うとしてどのタイミングでVCなど回るかとかを聞かれるのですが、僕は早めに回るのをおすすめしてます。

まず、めちゃめちゃ良い事業以外は普通に断られるので、事業のアドバイス半分狙いながらアポ取りしてください。

そこで是非やって欲しいのが定期的に事業報告をすることです。
例えば半年に1回など事業が伸びてる状況を簡単な資料やレポートを送ることで、この起業家は本気で動いていて、かつ事業を伸ばしてると評価されます。

結局、評価されるのは実績なので、口だけの短期的な付き合いではなく長期的な信頼を築きましょう。

資本政策の設計

エクイティを動きながらやるのが資本政策を設計です。
初期の資本政策は、将来的な資金調達や事業の拡大に大きく影響します。
株式の希薄化や経営権の配分を考え、慎重にプランニングすることが重要です。
詳しくなければ、エクイティ経験のある会計士や先輩起業家から聞いてみてください。

✅資本政策シートをプレゼント

僕自身、起業してから身を持って資本政策の重要性を体感しました。
それを少しでも感じてもらえたら嬉しいです。

最後にこれから調達を動く方には普段使っている資本政策シートをプレゼントします。
相談があれば個別具体的なバリュエーション計算などアドバイスもできるので下記へご連絡ください。




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歌川貴之@企業顧問/シリアルアントレプレナー
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