きみとのであい

君はぼくをつかんだ。
それをしげしげと見つめながら、不思議な顔をしている。

それを他の人に言われて、温かいところにおいた。そのときは、未来に期待を抱いていただろう。素敵な環境、美味しい食事は、私の成長に役立つと思ったことだろう。

そして、みんなと一緒に並ぶようになった。そこから人と比べられる生活が始まった。毎日聞こえてくる、「誰誰のは、早く成長しているよ」。

君はそこから私を忘れるようになった。気になった時は、ぼくを見て、10秒で離れていく。最初のころ、不思議そうにしていた目は、徐々に色を失い、失望に変わり、興味がなさそうになっていた。時々聞こえてきたため息、それでもぼくは何もできない。

そして、気づいた時には、輝く時期をとっくに過ぎていた。きみは最後のひと絞りの時にやっと見に来てくれた。それでも、最初のような興味もなく、ただ終わってしまったものに興味がないような感じで、すぐに新しく見つけた好きなことに集中するようになった。

最後は、みんなでまとめられて同じ場所に集められた。そして、ぼくはぼくでなくなった。きみとのくべつもわからなくなった。そうしているうちに、すべてがひとつになった。

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