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初夏、緑の仕事忙しく。

再び桑の葉の話。
桑の葉を乾燥させて粉末にしてみると、鮮やかな緑色の粉が出来た。
偶然友人が立ち寄ってくれることになったので、この粉を使ってお茶菓子としてシフォンケーキを作ってみると、素朴な味が悪くない。
大福餅の皮に練り込むのも良さそうだし、クッキーも良いだろう。桑の葉粉を入れたチヂミやスープはどうだろう?

 来週は美術館主催の子供向けワークショップを予定していてその準備もしなければいけないのだが、この時期は頭の中に飛び回る虫が湧いてきて落ち着かなくなってしまう。実験心に火が灯る。
。。。と言うと「いつもの事じゃ無いか?」と言う声が聞こえた。

一昨日蕨の話を友人としたのがはじまりだった。
もう蕨は育って森の下生えとして美しく緑の海になっているかもしれないと思いながらも、半分の期待を持って森へ出かけた。
すると少し遅れて出てきた芽が沢山出ている。
それなら少しいただこうと辺りにいただきます!と挨拶をしながら収穫した。
散歩から家に戻って、大きな鍋に湯を沸かし、重曹を加えて湯が80度になった所で洗った蕨を入れて一晩放置する。
翌朝鍋の蓋を取って中を見ると緑色に染まった水の中に浸かった蕨が沈んでいる。さらに二度水を換えて灰汁抜き完了。蕨の20%の塩を揉み込んで少しの重石を乗せた。
灰汁が強いし筋張った部分もあるけれど、塩漬けは進行中。美味しく出来上がってくれますようにと声をかける。

森の下映えにシダが波打つのを見る度思い出すことがある。
日本から母が遊びに来たときのことだ。我々は森に散歩に行った。すでにわらびの時期は終わって、シダが見渡す限り生えている景色を見た母が言ったのだ。
「あら、蕨の取りそびれが沢山あるのね」



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