setsuko Fukushima
きのこ話 きのこ探し
散歩道すがらに出会う野草について。 愛でたり、食べられたり、薬になったり。
今日は万聖節。 以前ハロウィン、万聖節絡みのお話を集めていた事がある。 その中から一つ紹介。 スコットランドの話(ドイツ語から翻訳) 万聖節の夕暮れの事。 酒好きの鍛冶屋がぽつりとたった一人で居酒屋に座っていた。 ジャックって言う奴だ。 そこへ悪魔がやってきた。 ジャックは悪魔に俺の命と引き換えに、最後の一杯を飲ませてくれとせがんだよ。 ジャックの財布はもちろん空っぽだったんで、悪魔は酒一杯分の6ペンスに変身したんだ。 ところがジャックはその6ペンスで酒を買わずに財布に入
早起きは三文の徳。三文と言う価値はどのくらいなのかなど無粋なことを考えながら早朝散歩にでる。 犬を連れに散歩していた婦人とすれ違い様挨拶を交わすと、急に振りかえった彼女が話しかけて来た。「私達もう随分長い事朝の散歩で出会いますよね!20年くらい前からかしら。。いつも知った顔に会うのはなんだか嬉しいと思って声をかけたの」と言う。大体朝早くに散歩に出て、出会う人たちは名前も何もわからないながら必ず挨拶を交わしている。先日も違う婦人から声をかけられたっけ。。。などとおもいながら、お
かつて病院だった建物を30年前からアーティストにレジデンスとして提供している団体があり参加することになった。 11人のアーティストが集まって制作している。 寝室は簡単だが用意されている。(ベットのスプリングが悪いのが玉に瑕だが。。)食べ物は提供されることになっているが、夕飯は毎日持ち回りで簡単なものを作ることになっている。しかし最近はヴェジタリアンかヴィーガンの人が多いので結構何を作ったらいいのか難しい。 1日目は仕事部屋と寝室の割り当てで少しざわついた。部屋の大きさがさまざ
友人が療養先でウォーターケフィアなるものを分けてもらったのが30年ほど前の事だった。それを分けてもらって飲んでみたら、割合美味しかったのでしばらくせっせと作り続け、やがて飽きてしまい放棄した。 その後は思い出すこともなかったのだが、ひと月ほど前に又同じ友人からケフィアクリスタルをもらうことになった。もらったからにはついつい毎日作ってしまう。すると確実に大さじ三杯分だったそれは大さじ五杯に育っている。そして大匙二杯の余分は四杯になり、六杯になり。。。すでに冷蔵庫の中はケフィアク
Brennnessel (Urtica) 春、軍手と丈夫な袋をポケットに忍ばせて散歩にでた。 西洋イラクサの若葉を摘みたかったからで、誤って葉が素肌に触れて痛い思いをする事は覚悟の上である。思った通りそこここを刺されながら集めた葉の一部を軽くゆがいてリゾットに入れたり、フェタチーズと蕁麻の葉をスパッゲティにあえて食べ、残った葉は乾燥させてお茶に仕上げた。 夏、よんどころなき怪我で痛む膝を引きずりながらも、蕁麻の種を収穫し、乾燥させて瓶に納めた。 もう少し集めたいと、後日見
Spitzwegerich/Plantago lanceolata 六月半ば膝の怪我をした。 その日高齢の友人の買い物を手伝うことになっていた。 上階の売り場に行くためフラットエスカレーターに乗ろうとして友人は転んでしまい、それを助けるべく行動した私は彼女をさえたまま両膝から落ちた。足の下は動き続けているのでバランスが崩れたのだった。幸い友人は無事だったが、私の怪我は思ったよりかなりの重症で、意気消沈していたところ、友人がヘラオオバコを摘んで届けてくれた。 ヘラオオバコは外
春になると忙しい。あれこれの植物が動き始めるからだ。 すると蜂の様にあちこちを点検しなければならない。 Cichorium inytbus 初めて美しい紫がかった青の花を見た時、なんと美しい花だろうか?とときめいた。畑の畦道や、土手、道路の中央分離帯などを飾ってくれる。 キクニガナの名前が示す通りこの植物はとても苦い。とは言っても蒲公英ほどのにがさだ。(蒲公英もかなり苦いけれども)野生のチコリは葉を細かく刻んでサラダに入れたり、湯がいてからオリーブ油たっぷりに、ニンニクを加
昨日から急に気温が上がって木々草花が急に勢いづいている。 おかげで花粉の大波が空気中を乱舞するので、くしゃみが止まらず涙するお供と連れ立ってチューリップ畑に立ち寄った。 いわゆるインスタ映えする景色を背中にポーズをとる人々の周りを携帯カメラを構えた人々が蝶々のように舞っている。 のどかな景色だ。次々に花見にくる人々の車が道を埋め尽くす。 周りから聞こえる言葉はロシア語や中国語や日本語や中東の言葉がまるでチューリップ畑の様に多彩だった。 今朝読んでいたニュースの爆破された街の写
辺り一面のベアラウホの海。詰む人も多いらしく踏みかめられた道ができている。 向こうの茂みに二、三人見えて、賑やかなお喋りの声が聞こえた。 耳をすますとそれは中国語で、口も手も賑やかに動いているのだった。 花が開いてしまうと葉の香が失せ、苦味が出て、葉も硬くなるので今が収穫どきだ。 ベアラウホの間に西洋イラクサが潜んでいて痛い目にあうが、それごときの痛みには食欲は負ける事は無い。 刻んでバターに練りこんだり、ペストにするという人は多いけれども、私は断然醤油漬けを優先する。そ
夏にはトマト栽培の為に杉菜を河原から取ってきて肥料を作る。 春先に杉菜の生えていたあたりに出向いて目を凝らすのだが土筆がなかなか見当たらない。 昨日はいつもの散歩道から離れて人通り少ない畑脇の土手を通りがかった。すると視界の端にひょこひょこという感じに草むらに背伸びしている土筆を見つけた。 1回分のつくしご飯にはは十分という量がとれた。 つくしのほろ苦さと茎のごたえがとても良く、今回は佃煮にしてから、炊きあがりのご飯にグリーンピースと一緒に混ぜ込んでみた。 春の味がする。春の
トマトは350kHzの音を感じた時 花粉を放出するという。 350kHz それは蜂の羽音だ。
埃の膜が目立って来た棚板に枯れ葉や石や木片などの小物がひしめき合っている。それらの煤払していたら、シロバナチョウセンアサガオの枯れ枝がセーターの袖を掴んだ。 近所の畑の中にはシロバナヨウシュチョウセンアサガオと長ったらしい名前を持つ植物がぐんぐんと育ちやがて濃い目の緑の葉を茂らし、純白の花を咲かせる。名が示す通りの朝顔に似た花だがナス科の有毒植物で、薬としても利用されたと言うけれど、素人が手を出すのは危険だ。ちなみにチョウセンアサガオという名前を持っているのに原産国は北アメ
我がテラスに出没する生き物に栗鼠がいる。 毛並みの色や体格で三匹の常連が確認できた。(もっといたのかもしれないが、私には見分けがつかない) その小柄な栗鼠は胡桃や榛の実をカリカリと齧っていたり、あちこち飛び回っては咥えていた胡桃をプランターの土の中に埋める。春になって、植栽の用意に土を返すと、スコップにコツンとあたる物があり、それは胡桃だったり、榛やアーモンドだったりした。胡桃などは太い根がグンと伸びており、胡桃林をテラスに作るわけにはいかないので、私は栗鼠の仕事をことごと
風船のような種子の莢が房になって垂れ下がっているのが面白くて、時期になるとモクゲンジの木の下で落ちた種子を探しに行く。 風船は種子を守っているのだが、やがて熟した黒い種子は自由になって、振ると莢の中でカラカラと乾いた音を立てる。 どうやらこの種子も炒ってたべることができるというが試してはいない。 ある時この風船がわさわさと付いた大きな枝を抱えて訪ね来た知人があった。大きな枝の向こうに笑顔がのぞいている。 随分昔の事なのにその笑顔ははっきり記憶に残っている。 思い出は様々な物に
友人宅で料理をしていた時のことだ。味噌を作ったのだけれど、こんなに硬いの、大丈夫かしら?と彼女が言う。 見れば、醗酵がかなり進んで食べてみると少し酸味がでている。 これだけで味噌汁などには使うのは難しい。野菜や肉を漬けてみるのは一手だけれど、すぐに漬けるものが無かったので、カチカチに干し上げてみたらどうだろうという話になった。最初は一つ二つその味噌で球を作って乾燥させてみようと言っていたものが、勢いついてええい全部干してしまえ!ということになった。 十分乾燥したら、おろし金で
大晦日は友人夫婦と年明けまで美味しいものをのんびりと食べる。 この2、3年中止していた恒例行事だったので久しぶりのことだった。 最近お酒もたいして飲まなくなったし、食事もかつてのようにお腹がはち切れるほどに食べることもないので、さぞ退屈かと思いきや、気がつくとデザートを出す前に年が変わってしまった。 年が開ける数時間前から外では爆竹の音が聞こえてくる。最近の花火や爆竹は派手になっている。爆竹は好きではない。犬や猫の聴覚には更に爆音として聞こえているのだろうから気の毒だと思