急に思いついてチューリップ畑を見に行った。先週末の事、車で移動中遠方に鮮やかな色面が見え隠れしていた。それを思い出したのだった。
隣の街郊外なので車ならば遠くはない。
球根を育てる為の畑なので、ある程度咲かせた後は花を切り取ってしまう。畑の半分程は既に首無しのチューリップが並んでいた。
白い花の列に近づくと甘い香りに驚いた。
野ネズミのサイズに縮んでこの花畑に潜り込んだら、凄い景色が見られるだろうなあ、と妄想する。見上げながら走ると流れる花色が変化するだろう。極彩色の天井の下を駆け回るのだ。万華鏡の中に迷い込む感じだろうか?
ジャスミン香にハチミツを加えた様な香りに酔いしれながら、万華鏡の中を走る。