魔法使いナンジャモンジャと空飛ぶバイオリン 7/7
7.ローマ市交響楽団
空はすっかり夕焼けだ。
空の半分は夢のようなピンク色に染まり、もう半分は青い夕闇に包まれながら、沈みゆく地上にはきらきらと街の灯りが灯り始めている。
「わお! 素敵!」
「綺麗だなぁ~! 空を飛ぶには、この時間がいちばんね!」
ユマとリオナはまたまた大はしゃぎ、スマホでパシャパシャ。
一心不乱に進路を取るシーラさん、我関せずの黒猫、死んだように目を閉じたままのブラウンさん、みんな一緒に超特急で、またたき出した星々のあいだを抜けてゆく。
「速く速く!