「人間の盾」、「大量破壊兵器」イラク戦争時のアメリカの主張を真似るロシアを誰も信じない理由
ロシアはウクライナ侵略の中で、市街地や各施設を攻撃する理由について「ウクライナは国民を人間の盾に利用している、大量破壊兵器を製造している」と説明しているようである。
これを聞いて、湾岸戦争やイラク戦争時のアメリカの主張を思い出した。
アメリカも、全く同じことを言っていた。フセイン大統領が国民や外国人を「人間の盾」にして、また「大量破壊兵器を製造している」と主張して攻めていた。
でも、残念ながらこの2国の主張の信憑性は全く違う。
なぜなら、アメリカには報道の自由があるからだ。
アメリカが「人間の盾」、「大量破壊兵器」と主張しても、それが真実かどうかは、何万人ものメディアや専門家が分析を行い、それこそ何万通りもの見解が出され、それが自由に示される。
戦時中は政府寄りの報道が多くなるのは事実(特に同時多発テロ後のイラク戦争時は)だが、それでも、必ずいつか検証がされる。
実際、イラクに大量破壊兵器はなかったことが検証されている。
我々遠く離れた日本国民が、ウクライナで実際に何が行われていたのか検証することは難しい。しかし、ウクライナには報道の自由がある。
報道の自由がある国と、自由のない国の主張を並べたときに、後者を信じる人はまずいないだろう。
だからロシアがいくらお金をかけて、必死に何かを主張しても、誰も信じることはない。もし信じて欲しいなら、まず、報道の自由を認めることだ。
もちろん、そんなことをしてしまったら、そもそもプーチン政権は崩壊するのだろうが。
ロシアは、皮肉にも「ペンは剣よりも強し」を証明しているのだ。