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観察すると意外と面白い◎わんちゃんの基本的な歩き方5つ!異常時の歩き方もご紹介

◎獣医師執筆◎

一緒に散歩をする時、お家で遊ぶ時、ドッグランに行く時…など、私たちは日常的にわんちゃんが歩いたり走ったりするのを目にしますよね。その歩き方や走り方に名前がついているのはご存知でしょうか?わんちゃんは、4本の足を上手に使って効率よく走っています。

今回は、意外と知らないわんちゃんの歩き方の種類をご紹介いたします。

1.常歩(なみあし):ウォーク

わんちゃんがゆっくりとした歩行をするときに見られる歩き方です。飼い主様とのお散歩の時は、多くのわんちゃんがこの歩き方をしています。4本の足をバラバラに出して歩き、必ず2本以上の足が常に地面と接しています。そのため、身体が大きく揺れる事がなく安定したまま歩くことができます。

2.速足(はやあし):トロット

常歩より少し速度を上げた歩き方です。走っている、というよりはスタスタ早足で歩くという方が近いでしょう。常歩では追いつかない場合に見られます。前足と後ろ足で左右逆の足を出して歩く歩き方で、左前足+右後ろ足→右前足+左後ろ足と言った具合です。身体が大きく上下することはないので安定して歩く事ができることが特徴です。

飼い主様が散歩中に軽く走るくらいでは、この歩き方でついてくるわんちゃんも多いです。

3.駈足(かけあし):キャンター

歩いているというよりは走っているという方が近い動きになっています。わんちゃんが走っていると聞くとこの走り方をイメージする方が多いのではないでしょうか?身体を上下に揺らしながらリズムよく走ります。

足を動かす順番は常足と同じで右前足→左前足→左後足→左前足という様に動かされます。全ての足が浮くことはなく、必ずいずれかの足が地面についているのが特徴です。

4.襲歩(しゅうほ):ギャロップ

全力で走る場合に用いられ、最も速く走れる方法です。駈足と足の動かし方は同じですが4本の足全てが浮く状態が一瞬みられます。わんちゃんがボールをキャッチする直前の最後の追いつきに襲歩をしているのを、見た事がある方もいらっしゃるのではないでしょうか?とてもスピードが出ますが体力の消耗が激しく、長い間走り続けることは困難です。

5.側対歩

側対歩は、歩いたり走ったりするスピードのことではなく足の出し方のことを言い、前足と後ろ足で同じ側の足が出ることを言います。人も歩くときは無意識に右足と左手を出していますが、これが右足と右手を同時に出すのが側対歩です。人でもわんちゃんでも、緊張していたりストレスを感じていると側対歩になると言われています。

わんちゃんの中にはオールドイングリッシュシープドッグのように、側対歩が通常の歩き方の犬種もいます。

緊張やストレスを感じている場合は対応策を考える必要がありますが、わんちゃんが元々側対歩で歩く場合は特に矯正をする必要はありません。

なんだかおかしい…散歩中のこんな歩き方には要注意!

お散歩中に、以下のような歩き方をしているときは要注意です!それぞれ見てみましょう。

  • いずれかの足を地面につけずに歩く


肉球や指の間を怪我している可能性があります。怪我が治るまではお散歩を控えたり、靴下などで傷口をガードしてあげましょう。もし手足の見た目に異常がない場合は、骨折や脱臼、捻挫をしている可能性も…。

  • 足がふらついたり、足を引きずっている


足がふらついたり、後ろ足を引きずるように歩いている場合は、椎間板ヘルニアを疑いましょう。ヘルニアは、1度発症すると癖づきやすい厄介な病気です。きちんと治して、再発を防ぎましょう。

  • お尻や腰を大きく振って歩く


もしかしたら、股関節形成不全の可能性があります。これは大型犬のわんちゃんに多く、お尻を大きく左右に振りながら歩くのが特徴です。横座りすることが多い、散歩を嫌がる、足を触ると嫌がる…という場合は、黒とみて間違いないでしょう。

  • 同じところを回る


同じところをクルクル…と回っている場合は、整形脳神経に病気がある場合があります。おかしいなと思ったら速やかに病院へ相談しましょう。

わんちゃんの動きを読み取ろう!

今回はわんちゃんの歩き方についてご紹介しました。見慣れたお散歩の様子も、注意深く観察することで新たな発見に出会えるかもしれませんよ!

また、わんちゃんが怪我や病気をして歩き方がいつもと異なるとき、すぐに気付いてあげたいですよね。そうなるためにも、日頃からわんちゃんの仕草をよく観察してあげると良いでしょう◎

●ライター:いぬかい ゆうみ
獣医師の資格を保有
●編集:うしすけチーム

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