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わんちゃんは雨が苦手?散歩で濡れたときのケアとオススメお出かけスポット

◎ペットセラピストの資格保有者執筆◎

わんちゃんと暮らす飼い主様は、雨の日に「お散歩はどうしたらいいかな?」と悩むことも多いかと思います。お散歩はわんちゃんのストレス解消や運動のために必要なものなので、「雨の日にも行くべき」と思う一方で、「濡れながら歩くのはなんだか可哀想…」と心配になる方も多いはずです。

そこで今回は、わんちゃんは濡れるのが好きなのか・嫌いなのか、雨のお散歩時に濡れたわんちゃんへのケアの方法などについてご紹介します!「できるだけ濡れずにお散歩を楽しみたい!」という飼い主様向けに、雨天時のお散歩のコツなども詳しくお話していきますよ!

わんちゃんは雨に濡れるのが嫌?

猫は水が嫌い」というのは有名な話ですよね。雨はもちろん、シャワーで身体を洗うのも一苦労…という話をよく聞きます。では、わんちゃんは水に濡れることをどう思っているのでしょうか?

その子のルーツによって違う

わんちゃんは雨に濡れるのが好きなのか、嫌いなのか?結論をはじめに言ってしまうと…その子によります。いい加減に聞こえるかもしれませんが、この結論にはきちんと理由があるので詳しくお話しますね。

わんちゃんにもさまざまな犬種がいて、その犬種によって先祖の暮らし方や役割は大きく異なります。そうしたわんちゃんのルーツによって、現在も雨に濡れるのが好きか嫌いかは違ってくるのです。

例えば、昔からずっと水辺で暮らして狩をしてきたと言われているゴールデンレトリバーやラブラドールレトリバーは、現在でも水遊びが好きな子が多いです。泳ぐことも得意なので、このような犬種の子のほとんどは雨に濡れることも楽しんでくれるでしょう。

その一方、ビーグルやジャックラッセルテリアなどは、昔から陸地で過ごしてきた猟犬が祖先です。祖先が水と関わることがほとんどなかった犬種は、やはり今でも水が苦手なことがほとんどかと思います。筆者である私は元トリマーですが、トリミングに来たビーグルの子はほぼみんなシャンプーを嫌がって大騒ぎ!周囲の人は毎回びしょ濡れでした(笑)

性格や経験が影響することも

中には「水が得意な犬種なのに、雨は苦手」というわんちゃんもいるかもしれません。

先ほどお話した「犬種のルーツによって違う」という考え方も間違いではありません。ただ、わんちゃんにも個性があります。犬種のルーツから見ると水が得意な子であっても、性格的に雨で濡れるのが苦手なわんちゃんもいるのです。

また「水に濡れると毛がまとわりついて気持ち悪い…」と感じている場合や、以前雨に濡れた際に何か嫌なことがあり、それがトラウマになってしまっている場合も考えられます。

雨に濡れるのが好きか嫌いかは、その子の性格や経験によっても変わってくることを、飼い主様は心に留めておきましょう。

お散歩後、雨で身体が濡れたままはNG!

水が平気なわんちゃんの場合は、雨に濡れながらお散歩をする飼い主様も多いかと思います。

もちろん、雨に濡れることが好きなわんちゃんであれば、それでも問題はありません。ところが、お散歩が終わった後もわんちゃんの身体を濡れたままにしておくと、いくつか困ったことが起きてしまいます。

【NGな理由①】皮膚炎の原因になる

わんちゃんの皮膚には元々、マラセチアブドウ球菌などの細菌が日常的に存在しています。こうした「常在菌」と呼ばれるものは、普段の状態であれば何も問題はありません。

ところが、わんちゃんの身体を雨に濡れたままにしておくと、この常在菌は異常繁殖してしまいます。すると、皮膚が赤みと痒みを伴ったジュクジュクとした状態になる膿皮症(のうひしょう)や、肉球の間の皮膚が炎症を起こす趾間皮膚炎(しかんひふえん)などの病気につながってしまうのです。

【NGな理由②】体臭がきつくなる

わんちゃんの常在菌が異常繁殖することで起きるのは、皮膚炎だけではありません。

先ほどお話した細菌以外にも、わんちゃんの皮膚や被毛にはバクテリア酵母などの菌類も存在します。わんちゃんを雨に濡れたままの状態にしておくと、このバクテリアなどの常在菌が、臭いの原因となる有機揮発性物質を空気中に大量排出すると言われているのです。

つまり、わんちゃんの体臭がきつくなってしまう…というわけなのですね。

【NGな理由③】ウイルスへの抵抗力が下がる

人の場合では「濡れたままだと風邪をひく」などと言われていますよね。わんちゃんも、濡れたままだと風邪をひくのか…と思いきや、正確にはわんちゃんのかかる病気の中に風邪というものはないのだそうです。

とはいえ、わんちゃんも生き物ですから、人の風邪と同じようにウイルスによって引き起こされる病気や症状はたくさんあります。

雨で身体が濡れたままだと水分によって自然とわんちゃんの体温は下がっていきます。すると、身体が冷えたり血行が悪くなったりして、ウイルスに対する抵抗力も落ちていくのです。つまり、身体が雨で濡れたままにしておく=ウイルス性の病気を引き起こしやすくなる、ということになります。飼い主様は十分に注意しましょう。

ちなみに、わんちゃんがウイルスによって引き起こす症状には、
●鼻水
●食欲低下
●咳
●下痢
などが挙げられます。「風邪」とは呼ばなくても人の風邪と同じような症状ですので、飼い主様は気付きやすいかと思います。以上の症状が見られた場合は、わんちゃんをゆっくり休ませてあげて、早めに動物病院で診てもらうようにしてください。

お散歩で雨に濡れたわんちゃんへのケア

わんちゃんの身体を雨に濡れたままにしておくと、わんちゃんの健康を害してしまう可能性があることがわかりました。では、雨に濡れたわんちゃんには、どのようなケアが必要なのでしょうか?

ここからは、雨の日のお散歩後にご家族様ができるケアの方法について解説していきます!

【お散歩後のケア①】タオルドライ

雨の中をお散歩してわんちゃんの身体が濡れた時には、おうちに帰ってからタオルでよく拭くようにしましょう。

飼い主様が普段使うような普通のタオルでもいいのですが、わんちゃん用に吸水力・速乾力に優れたタオルも市販されています。雨の日でも外にお散歩に行くことの多いご家庭では、わんちゃん用のタオルを常備しておいてもいいかもしれません。

わんちゃんの身体を拭くときのポイントは、上から押さえるように水分を吸い取ることを意識することです。早く乾かそうとしてゴシゴシと強く拭くと、毛が絡まってしまうこともあるので注意しましょう。また、タオルドライ時に肉球や指の間までしっかり拭いてあげるのもポイントです◎わんちゃんの足元はうっかり拭くのを忘れてしまいがちで、雑菌が広がりやすい部分なので、飼い主様は注意してくださいね。

【お散歩後のケア②】ドライヤーで乾かす

タオルでわんちゃんの身体を十分に拭いたら、今度はドライヤーで乾かしていきましょう。 飼い主様やご家族が使っているもので構いませんので、火傷に気をつけてながら行ってください。

毛が短い子であれば、タオルドライだけでも水気が取れるわんちゃんもいるかと思います。しかし「水気は取れたけれど、体が冷たい」ということもあるかもしれません。体が冷たいままだと、先ほどもお話ししたように血行不良につながる可能性も高くなってしまいます。

毛が乾いているように感じても、できるだけタオルドライの後はドライヤーをかけてあげるのがオススメです。

【お散歩後のケア③】ブラッシング

わんちゃんの毛が絡まって毛玉ができてしまうと、そこから皮膚にダメージが加わることもあります。ドライヤーをかけてわんちゃんの毛が乾いたら、ブラッシングも忘れずに行いましょう。

ブラッシングは被毛を絡まりにくくする他にも、適度に刺激を与えてわんちゃんの血行を良くする効果もあります。雨で冷えたことによって滞った血行を良くする意味でも、ブラッシングはとても有効ですよ◎

【お散歩後のケア④】保湿

雨に濡れたわんちゃんの体を乾かした後は、保湿までしてあげるのが理想です。特に肉球は、濡れたり乾かしたりを繰り返しているとひび割れしやすくなり、わんちゃんに痛い思いをさせてしまうこともあります。

肉球用の保湿クリームローションも多く市販されていますので、ご家庭のわんちゃんに合いそうなものを選んでみてください。

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◎一式をセットしておくのがオススメ

お散歩から帰ってきて今お話した工程を行うと、どうしてもバタバタしてしまうかと思います。「大変だな」と感じると、つい後回しにしてしまう飼い主様もいるかもしれません。しかし、体が濡れたわんちゃんへのケアを後回しにすると、先ほど解説したような皮膚炎やウイルス性の病気を招くことにもなってしまいます。

少しでもこのケアでの負担が減るように、タオル・ドライヤー・ブラシなどの一式はお散歩後すぐに使えるようにセットしておくのがオススメです!「タオルは玄関に、他はリビングに…」など、使う場所にそれぞれ置いておくのもいいですね。飼い主様やわんちゃんの動線を意識して用意してみましょう!

雨に濡れずに外をお散歩しよう!ポイント4つ

雨に濡れたわんちゃんへのケアの方法についてお話しました。一方で、わんちゃんが雨に濡れるのが嫌いだったり、「できれば最初からあまり濡らしたくない」と飼い主様が思っていたり…というケースもあるかと思います。

ここからは、雨の日でもできるだけ濡れずにお散歩をするポイントをお話します!

【ポイント①】お散歩コースの調整

まずは出かける前に、できるだけ濡れない場所を通るようにお散歩コースを考えてみましょう。お散歩はいつも一緒である必要はありません。むしろ、いつも同じではないコースをお散歩することは、わんちゃんの認知機能障害の予防にもなりオススメなのです!

飼い主様は「雨の日はこのコースにしよう」という道筋を、いくつか考えておくようにしましょう。近所に屋根のある歩道があまりない場合には、木々の多い公園などが濡れにくくてオススメです◎

【ポイント②】高架下

雨でも濡れずにわんちゃんを運動させるのには、高架下もオススメです◎必ずどの地域にもあるわけではありませんが、近所にある場合にはぜひ、わんちゃんをお散歩に連れ出してくださいね。

ただし、高架下には他にも人が行き交います。わんちゃん好きな人ばかりとは限りませんので、リードは外さずにマナーを守って運動させましょう。

【ポイント③】レインコートを着せる

雨の中をお散歩する時には、わんちゃんにレインコートを着せてあげるのも雨に濡れるのを防ぐのには効果的です。市販のわんちゃん用レインコートにもさまざまな種類がありますが、初心者のわんちゃんには着脱しやすいマントタイプがオススメですよ。

初めは着るのを嫌がる子も多いかもしれませんが、日頃から少しずつ慣らしていくようにしましょう。

\レインコートについて詳しく紹介!/
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【ポイント④】水溜まりに入らせない

水が好きなわんちゃんの場合、水溜まりを見つけると喜んで入ってしまう子もいるかもしれません。どんなに雨に濡れないコースを選んだりレインコートを着せたりという工夫を行っても、わんちゃんが自ら水溜まりに入ってしまっては本末転倒ですよね…。

水遊びが好きなわんちゃんには申し訳ないのですが、あまり身体を雨で濡らしたくない場合、水溜まりのある道は避けてお散歩をしましょう!

また、わんちゃんは嗅覚が優れた動物ですが、目はそこまで良くはありません。 飼い主様が数歩先を見て「あそこに水溜まりがある」と気付いた場合は、わんちゃんが気づく前に道を変える、もしくは戻るというのも手です◎

雨でも濡れずに運動できる場所へ出かけよう!

できるだけ雨に濡れずにお散歩するコツをお話しましたが、他にもいくつか雨の日でも濡れずにわんちゃんが運動できる場所があります。

最後に、雨の日でも濡れずにわんちゃんを運動させることができる、オススメのお出かけ場所をご紹介します!

【オススメの場所①】屋根付きのドッグラン

わんちゃんたちがリードなしで走り回れるのが魅力のドッグラン。一昔前は外にあることが一般的でしたが、最近では屋根付き屋内のドッグランも増えてきました。屋根付きや屋内ならば、雨を気にせず思いっきりわんちゃんを運動させてあげられますね!

雨続きでなかなか思ったように運動ができていないと、わんちゃんのストレスも溜まります。わんちゃんの様子も見ながら、適度に利用してみてはいかがでしょうか?

【オススメの場所②】わんちゃんOKの商業施設

近年では、わんちゃん同伴OKのショッピングモールなども増えてきました!近所にないか探してみて、雨の日にはそこにお出かけしてみるのもいいかと思います。

先ほどの高架下同様にリードは必須、他にもワクチン接種を済ませておいたり粗相をしないようにマナーウェアを着用させたりの工夫も忘れずに行ってくださいね。

「わんちゃん同伴OK」としている一方で、使えるエレベーターが限られていたりエリアが分けられていたりする場合もあり得ます。雨の日でも気持ちよくわんちゃんと過ごせるように、お出かけ前には十分にリサーチしておくと安心です。

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雨の日のわんちゃんのお散歩について、詳しくご紹介しました。

これまでにお話してきた体が濡れた時のケアの方法、できるだけ雨に濡れずにお散歩をするポイントなどは、どれも飼い主様がすぐに実践しやすいものかと思います!わんちゃんの性格なども考慮しながら、雨の日のお散歩やお出かけを楽しんでみてくださいね◎

●ライター:松永由美
動物健康管理士・動物介護士・ペット終活アドバイザー・ペットセラピスト等の資格を保有
●編集:うしすけチーム

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