『大統領閣下』 初読時の感想
大学四年生の時に読んだ『大統領閣下』。
たまたま、別のSNSに投稿していた初読当時の感想文を発見したので、今回そのまま投稿しようと思います。(ところどころに誤情報有りなのもそのままにしちゃった)
ネタバレは、あらすじすら書いてないくらい皆無なので、安心してお読みください(笑)
グアテマラの作家、ミゲル・アンヘル・アストゥリアスの『大統領閣下』。
前から読んで見たかったのですが、絶版のため、出回っているのは高い中古本ばかり…。中々手が出せずにいました。そしたら、なんと大学の図書館にあった「集英社ギャラリー 世界の文学」のラテンアメリカ編の中に収められていたのです!万歳!!
読んでみると「万歳!!」どころでは無かったけれど…。
とにかく、どスレートに独裁政治が描かれます。というよりも、独裁政権下で人々はどう生きているのかっていう感じ。
グアテマラというと、チェ・ゲバラが自身の革命思想を育んだ地としても知られていますが、これは、それよりもう少し前に実在した、同国の独裁者をモデルにしていると言われています。
(もっとも、ゲバラがいた後もアメリカのユナイテッドフルーツ社なんかと色々あって、めちゃくちゃ大変だったはず)
物語の最後の方には、ナチスでの被収容生活を描いた『夜と霧』の中の感動的な1場面(フランクルが奥さんを思い浮かべながら、内面の自由に目覚めるシーン)を思い出させるような描写がありますが、結末はまったく違ったものです。
えげつなくリアルに、死にゆく人や残される人の心情、絶望を与える側の事情が描かれます。
いきなり現れる「マジックリアリズム」のような幻想的文章に戸惑いつつも、比較的一気読みしやすい作品かも知れません。
というか、一回読むのやめると、「さあ、もっかい読むぞ!」って中々なれない気がする… (笑)
全集には、他にもガルシア・マルケスの『族長の秋』など、気になる作品が沢山詰め込まれているので、借りられる学生のうちに読んどきたいです…!
(2019年11月2日)
…とこんな感じ。
いや、なんかネタバレがないどころか、あんまり作品そのものに触れてないな!(笑)
しかも調べ直したら、全然絶版ではなさそうだった。どうなっとんねん。当時の自分よ。
まあでも、初読時の感想を見返すと、今の自分とも比較できてなんだか面白いですね。
僕は東邦音楽大学というところの出身なのですが、音楽専門の大学にも関わらず、文学の本も沢山置いてある、良い図書館がありました。
頼んだら、ガルシア=マルケスの作品を仕入れてくれたこともありました!嬉しかったな〜。
アルゼンチンの作家、ルゴーネスの短編集とかもあったくらいだから中々ですよね!卒業して行けなくなっちゃいましたが、またふとした時にでも行って、中々買えない値段の本の世界に耽溺したいです(笑)。
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