見出し画像

豆乳普及の歴史から考える代替肉市場の今後

こんにちは!うーしーです。
今回は豆乳の歴史と代替肉の普及について、考えたことを思いついたまま書いていきます。

豆乳普及の歴史

日本で最も広く飲まれている植物性ミルクといえば、豆乳です。近年アーモンドミルクやオーツミルクも徐々に増えていますが、豆乳が圧倒的です。実際にスーパーでも豆乳のラインナップが多く、カフェでもスターバックスのように色んな代替乳製品を選べるところもありますが、豆乳のみ変更可能なお店が多いです。

このように、今では世間に広く受け入れられた豆乳ですが、普及には長い年月を要しています。

ここで、日本での豆乳の歴史を以下に簡単にまとめます。
・1970年代後半:初の商品化
・1980年代前半〜:第1次豆乳ブーム→青臭さが原因で下火に
・2000年ごろ〜:第2次豆乳ブーム 技術向上による味改良と健康ブーム
・2008年ごろ〜現在:第3次ブーム 無調整豆乳の料理への活用が進む

特に自分が注目したのは、第2次ブームから第3次ブームのスパンの短さです。製造技術の向上による味の改善は普及の大きな原動力となったことが明確で、健康ブームはメディアの影響も大きいでしょう。第3次ブームの最中である現在も市場規模は拡大中で、今後も伸びることが予想されています。

豆乳の歴史と重なる「代替肉」

現在、世界的に代替肉の市場は伸びていて、日本国内でも成長しています。豆乳が牛乳の代替品として普及したように、肉の代替品である代替肉も豆乳と同じような道のりで広く受け入れられていくと思われます。

それでは現在の代替肉は普及レベルはどのくらいなのでしょうか?
ある国内調査で大豆ミートの認知度は97%という結果があったように、知っている人は多いようです。しかし、高い頻度で食事に取り入れている人は少ない印象で、「普及」を「高頻度で習慣的に食べること」と定義するなら、日本ではキャズム理論でいうアーリーアダプターに届き始めたくらいではないでしょうか。(アメリカやヨーロッパなどでは環境意識の高さや多様性の観点からプラントベースフードの売り場が日本より大きく、普及率も日本よりは高いようです。)

ただ、技術の向上・味の改善は急激に進んでおり、ここ数年でテレビ等メディアで取り上げられる機会が増えたのは事実です。また、それに伴い、大手外食や食品メーカーによる取扱も増えており、豆乳でいう「第2次ブーム」に近い状況だと考えられます。

実際に、今後の代替肉の市場規模は落ちることなく拡大することが予想されます。しかし、代替肉が地球環境の面から考えたときにはよりスピーディーに普及していく必要があるでしょう。そこで、代替肉をより急速に普及させるためのカギとなる要素について考えていきます。

代替肉普及のカギ

価格

まず、1つ目は価格です。
安くなれば買いやすいという単純な話ですが、日本ではよりその傾向が顕著になると思われます。今後日本では、インフレかつ給与水準は変わらないスタグフレーション状態が進むと予想される中、海外より価格の訴求がより響くでしょう。現在、食肉が高騰し、大手牛丼チェーンが一斉に値上げを行う中、代替肉は価格が下がる傾向にあり、近い将来代替肉の価格は牛肉よりは低くなるでしょう。

また、一旦価格が逆転すれば、需要増による生産量の増加でさらにコストが低くなり、より代替肉の価格が下がるサイクルに入るでしょう。

さらに、欧米では「肉税」の議論も進んでいます。環境への負荷が高い畜産は既に持続可能でないと広く認識されており、税金という形で半強制的に価格が逆転する可能性もあるのです。

2つ目は味です。

豆乳同様に、味が良くなることで一気にシェアが拡大するでしょう。現在かなりのスピードでこの点がクリアされつつあり、美味しい代替肉が増えていることは事実です。現にハンバーグなどミンチタイプは、「ゼロミート(大塚食品)」や「プラントベースワッパー(バーガーキング)」など、かなり肉らしさが再現された商品が増えています。ただ、その他スライス肉やブロック肉系の代替肉には味付けが濃さで大豆感を無理矢理消しているような商品が多いのも事実です。これからは低価格化に加え、味の面では豆乳でいう無調整のような、濃い味付けがついてなくても大豆の風味がなくて食べやすくて、かつ旨みを感じる代替肉ができれば、より多くの人が代替肉を選ぶようになるのではないでしょうか。

さらに、本当の肉と変わらない完璧な代替品となると、培養肉の技術が必要そうで、大量生産を実現するには時間がかかりそうなのが現実です。よって、代替肉は食感や形をお肉に近づけつつ、代替肉なりのおいしさを追求したものが完成系となるでしょう。その完成度がしっかり消費者の満足できるレベルに届いていれば広く普及するはずです。

消費者の意識

3つ目は消費者の意識です。

代替肉が普及していくべき最大の理由は環境問題です。畜産は環境に与える負荷が大きく、持続可能ではないのが現状です。(世界的に人口が増加する中、タンパク質が不足することが予想されるのも大きな理由です。)

日本政府も環境白書にて「代替肉の推奨」について言及しました。

一方で、環境のことを考えて食品を選ぶ人は少ないでしょう。安い・美味しいが食品を選ぶ際の主要な基準である人が大半だと思います。筆者も味を我慢してプラントベースの食べ物を選択し続けようとは思いません。

また、豆乳は健康面がブームの後押しになったように、代替肉にも健康を謳った方が現段階では売り上げが伸びるかもしれません。

しかし、少しずつ「環境面」も判断基準に入れて代替肉を選ぶ人を増やしていくべきです。味や価格とともに、その選択が将来の地球環境という形で消費者に返ってくることも考慮して、代替肉を選択するようになるのがベストでしょう。人は長期の欲求に対して楽観的で、つい後回しにしがちですが、これから70年以上生きるであろう若い世代や子供を持つ親世代や高齢者含め全世代が環境に対する意識を自分ごととして持つことで、日々の選択が変わっていくのではないでしょうか。

そのためには、味や価格の改善に加え、積極的な普及活動は必須です。豆乳の普及に関しても、日本豆乳協会は以下のような活動を地道に行なってきたようです。
・豆乳レシピ甲子園(全国の高校からレシピ募集)
・豆乳資格検定
・豆乳食育移動教室
・若い世代への豆乳のサンプリング

特に将来を担う若い世代へのアプローチは確実にじわじわ聞いてくるでしょう。小中高大学での授業やテレビ等メディアでの発信など、あらゆる場所で代替肉の意義とおいしさをセットで伝えて行かなければと感じます。

まとめ

以上、代替肉について調べたことや考えたことでした。
豆乳の歴史を見ると40年くらい普及にかかっていますが、なんとか向こう10年弱(2030年くらいまで)で大きく代替肉の市場を伸ばせるように、色々とやっていきたいところです。加速度的に代替肉を普及させるためにできることを日々考えて、実行に移していきたいです。

いいなと思ったら応援しよう!