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変われない教育現場① 「〇〇さんの仕事」

20年前と比べて、教育は大きく変貌を遂げた、とよく言われる。
ただ、それはあくまでも特定の教員特定の学校での話。
少なくとも私が見聞きし、そして勤務してきた学校のほとんどが、残念ながら旧態依然とした考え方で、グチャグチャになっているのが現状である。

例えば、観点別評価や小・中・高校の連携という文科省が重点を置いているような内容でも、従前の形を維持したいがために、形式的に実施している体をとり、従前の形式に合わせるための無駄な作業を加えているところもある。

今回は、私がこの数年従事してきた校務処理(支援)システムの管理でのエピソードを交えて、学校が変われない原因を考えてみた。

担当・管轄に異様にこだわる

校務処理(支援)システムは、ぱっと思いつくだけでも、多くの分掌が活用できる。

 生徒指導部:欠席・遅刻者の把握/部活動や委員会の部員の紹介
 教務部:指導要録(※)作成/時間割の管理/成績処理
                (※)生徒の個人情報や成績等をまとめた公的な文書
 進路指導部:調査書の作成/生徒の進学先のデータベース化
 保健部:生徒の健康記録データベース化

正しい使い方をすると、業務の分散や整理ができて便利なものだと思う。
ただ、担当や管轄を明確にしないと責任の所在が曖昧になる という理由で、少数の教員がほとんどの業務を行っている、というのが現状。

あと、教員にとっても、この仕事は〇〇先生の仕事、としておくと責任転嫁しやすくなる。(なぜか私がスケープゴートになることが多いが)

業務内容を明確にし、区分することが働き方改革の一環ということは理解している。だが、乱暴に「これは〇〇の業務」と仕分けするのが働き方改革とは到底思えない。
また、民間企業と異なり、教員は同じ分掌に長くとどまることが多い。「〇〇先生にしかできない仕事」ではなく、「誰でもできる仕事」を分担することで色々な経験を積むのがいいのではないか、と思う。
(ただ、それを会議で主張すると、「誰でもできるように詳細なマニュアルを作れ!」と反論が来るのがしんどいですが…)

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